中国北京で古建築の再利用進む 新たなランドマークに

中国北京で古建築の再利用進む 新たなランドマークに

22日、宏恩観の帝君殿。(北京=新華社記者/許芸潁)

 【新華社北京3月30日】中国北京市でここ数年、古建築を再利用した施設や店舗が新たなランドマークとして注目されている。かつての道教寺院は市民が気軽に立ち寄れる文化スペースとなり、古い教会は交流サイト(SNS)で人気の現代的な書店に生まれ変わった。歴史的な建物を保存しながら活用する取り組みが、市の文化産業の発展に寄与すると期待されている。

 北京の中心を南北に貫く中軸線の北端にある道教寺院「宏恩観」は、元代に創建され、時代とともに小学校や工場、食料品市場などに用途を変えてきた。今年1月に10年近い改装工事を経て、一般公開を再開。文化博物館を常設し、郵便局や書店、雑貨店などを擁する複合文化施設となり、多くの市民や観光客が訪れている。

中国北京で古建築の再利用進む 新たなランドマークに

22日、宏恩観内の北京中軸線テーマ郵便局。(北京=新華社記者/許芸潁)

 市西部にある「国立蒙蔵学校旧跡」は、中華民国期に少数民族の人材を養成するために設立された学校の跡地。昨年3月に10年にわたる保存修理が終わり、一般公開された。学校の沿革や特色を紹介する展示や、中国各省の文化や特産品が楽しめる「中華民族優秀文化体験展」があり、土産物屋やカフェも併設されている。

 110年余りの歴史がある教会を改装した「模範書局・詩空間」は、詩的な趣と文芸的な雰囲気に満ちた書店として人気を集める。教会のたたずまいを残しつつ、現代的なアレンジを施し、独特の世界観をつくり出した。主に文学や芸術、歴史、人文分野の書籍を販売し、多くの文芸愛好家を引き付けている。

 北京の古建築の保存や修繕に携わる技術専門家委員会で専門家グループを束ねる張越(ちょう・えつ)氏によると、古建築の保存修理は「古建築設計師」と呼ばれる専門家が指揮し、中国の伝統的な建築技術を用いながら、今の時代に合わせた工夫も凝らしている。「地元の人たちの文化を守る意識を育て、地域の文化的環境を改善していきたい。北京が古都の輝きを取り戻すよう尽力していく」と話している。(記者/許芸潁)

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22日、宏恩観内の店舗で飲み物を購入する観光客。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、宏恩観で開催された芸術展。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、宏恩観内の書店。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、宏恩観で漢民族の伝統衣装「漢服」を着て写真を撮る観光客。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、国立蒙蔵学校旧跡にある瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)の店舗。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、国立蒙蔵学校旧跡の「中華民族優秀文化体験展」の四川エリア。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、国立蒙蔵学校旧跡で販売されているグッズ。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、国立蒙蔵学校旧跡の入口。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、1916年の国立蒙蔵学校。(複製写真、北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、古い教会を改装した「模範書局・詩空間」の外観。(北京=新華社記者/許芸潁)

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22日、古い教会を改装した「模範書局・詩空間」の内部。(北京=新華社記者/許芸潁)

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