川崎が連敗ストップ&ホーム200勝。試合後にグッときた36歳FW小林悠とデビュー戦アシストのMF山内日向汰の熱い抱擁

[J1第5節]川崎 3-0 FC東京/3月30日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

リーグ3連敗を喫していた川崎は“多摩川クラシコ”としてホームでFC東京と対戦し、3-0で勝利。等々力では今季初白星となり、会場は歓喜に沸いた。

試合後、印象的な光景だったのは、クラブと長年苦楽をともにしてきた36歳の小林悠が誰よりも勝利を喜び、リーグデビュー戦でFW山田新の追加点をお膳立てしたMF山内日向汰に満面の笑みで駆け寄りハグした姿だ。

アカデミー出身で桐蔭横浜大を経て、今季川崎に戻って来た山内は、富士フイルムスーパーカップでは先発したものの、その後は出場機会を得られず。ただ、彼の努力を小林は知っていた。

「頑張りも見ていましたし、アカデミーから育って、あいつ、アシストした後泣いていたんですよ(笑)。嬉しかったんだろうなと。フロンターレのいろんな歩みを見てきて、関わってきて、ピッチに立って結果も残したので、相当に嬉しかったんだろうなと。『よくやった』という想いでしたね。若い選手がこうやって出てきたらチームは、活気づきますし、改めてすごく良い仕事をしたなと」

【動画】山内のクロスから山田がゴール&脇坂の先制弾

かつて8連敗という苦しい時期を経験していた小林は、FC東京戦に向けた練習後、3連敗という状況にも「大丈夫、雰囲気も悪くないですから」と、年長者として周囲を勇気づける言葉を発していた。

奇しくも、この日の勝利で川崎はホーム200勝を達成。小林もしみじみと語る。

「僕もたくさんの勝利に関われてきたと思いますし、これからも勝ち続けて、フロンターレというチームが強く有名になっていけば、良いなと思っています。

自分たちはここ(等々力)で試合をすればパワーをもらえる。今日みたいな試合を見せていければ、優勝というものも見えてくると思いますし、今日はみんなすごく頑張って、戦っていました。こういう試合を増やしていきたいです」

自身はJ1通算得点であと1ゴールを奪えば、憧れの“カズさん(三浦知良)越え”を達成できる状況。チームのために行動しながら、自らのゴールで川崎を勝たせる瞬間も虎視眈々と狙っている。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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