【DeNA】西浦直亨、度会の歴史的アーチに回顧する1年目「あれで『打つ人間』というイメージが」

勝利後にマウンドに集まる横浜DeNAの西浦(左端)ら内野陣=横浜

 横浜DeNAの新人、度会隆輝が、30日の広島戦(横浜)で開幕から2戦連続となる本塁打を放った。プロ野球史上3人目、セ・リーグで初の快挙。実はチームメートの11年目、西浦直亨もルーキーイヤーで開幕戦アーチを放った数少ない一人だ。後輩の偉業に「打つやろうなと思っていた。あの後(危険球になった死球後の打席)で打つからすごい」とたたえつつ、自身のプロ1号を振り返った。

 10年前。法大からドラフト2位でヤクルトに入団した西浦は、ベイスターズとの開幕戦に「八番・遊撃」で先発出場し、先発三嶋から初回の第1打席に3ランを放った。史上初の「新人による開幕戦初打席初球本塁打」。プロ野球ファンを驚かせた鮮烈デビュー弾だった。

 「開幕戦のたびに思い出す。ルーキーの子が出るたびに」と、今も脳裏に深く刻まれている一発だ。昨季途中から同僚になった法大の一学年先輩、三嶋からはいまだに「あれで俺が…」と冗談交じりにからかわれるという。

 しかし1年目の本塁打はこの1本のみ。思い描いたシーズンを送ることはできなかった。「あれで『打つ人間』というイメージがついちゃった。元々ホームランバッターじゃないし、遊撃手で守備をしっかりやるっていう選手だったのに」。華やかな記録を残した一方、求められる基準も高くなり、プロの壁にぶち当たった。

 「ルーキーで最初に本塁打を打ったらあんまり良くないっていうジンクス的なものをよく言われる」という。ただ、度会には大いに期待を寄せる。「打撃を買われている選手。あいつが(ジンクスを)覆してほしい」

 ベイスターズの開幕1軍メンバーの中では優勝を経験した唯一の選手。24年ぶりとなった本拠地横浜スタジアムでの開幕2連勝に、「(優勝できるチームの雰囲気は)すごくある。勝ち方というか、それぞれの役割をしっかりやれている」と話す。32歳が自らの経験も伝え、若手を、そしてチームをサポートしていく。

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