夢二知り、世界堪能 高岡市美術館で回顧展ギャラリートーク

学芸員の解説を聴きながら展示に見入る来館者=高岡市美術館

 大正ロマンを代表する画家、竹久夢二(1884~1934年)の回顧展「生誕140年 竹久夢二のすべて 画家は詩人でデザイナー」(高岡市美術館、富山新聞社、北國新聞社、チューリップテレビでつくる実行委員会主催)のギャラリートークは30日、同美術館で開かれた。来館者は作風や人となり、時代背景の解説に耳を傾け、夢二の世界を堪能した。

 瀬尾千秋学芸課長が解説した。瀬尾課長は夢二の美人画「夢二式美人」の女性の目が大きいことについて「西洋の美意識が受け入れられた大正時代だからこそ、一世を風靡する人気となった」と説明した。結婚していた金沢出身の岸他万喜ら夢二を語る上で欠かせない3人の女性も、作品に登場していると紹介した。

 夢二は常にスケッチブックを持ち歩き、作画の基本としていた。瀬尾課長は「生の姿を大切にし、その感性を多彩なジャンルで表現するセンスのあるクリエイターだった」と評した。

 射水市から訪れた野崎義彦さん(79)は「夢二や大正時代のことを理解した上で作品を見るとより楽しめた」と話した。

 回顧展は5月6日まで。観覧料は一般1200円(20人以上の団体、65歳以上のシニアは900円)、高校・大学生500円(団体400円)、中学生以下無料。

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