桜前線運ぶぽかぽか陽気、群馬の行楽地にぎわう 31日は前橋26度予想

穏やかな陽気の中、芝生にシートを広げてのんびりとする親子連れ=楽歩堂前橋公園

 群馬県内は30日、春らしい穏やかな陽気に包まれ、各地の公園や観光スポットが家族連れでにぎわった。最高気温は高崎で26度、桐生と館林で25度となるなど、県内6地点で今年最高を更新。アフターコロナで初となるお花見シーズンを前に、県民からは「サクラの開花が待ち遠しい」といった声が聞かれた。

 前橋市の楽歩堂前橋公園では、家族連れがシートを広げて食事や昼寝を楽しんでいた。長女や孫と訪れた舘野真由美さん(51)=同市=は「ようやく暖かくなった。来週は花見客で混むだろうと、早めに来た」とほほ笑んだ。家族5人で訪れた堀越悠以君(9)=同=は半袖姿で弟2人と芝生を駆け、「サクラは見られなかったけど、暖かくて遊ぶのが楽しい」と喜んだ。

 来月7日の「桜まつり」に向け、既にキッチンカーが並ぶ沼田市の沼田公園。3歳のわが子と訪れた小林琢哉さん(39)は「毎年家族でサクラを見に来ているので楽しみ」と春の訪れを待ちわびた。

 前橋地方気象台によると、30日は県内3地点で25度以上の「夏日」を観測。前橋、下仁田、神流を含め計6地点で今年最高気温を記録し、5月上旬から6月上旬並みの気温となった。

 太田市観光物産協会と、館林市観光協会は29日、それぞれ市内でサクラが開花したと宣言。太田と館林はともに、昨年よりも13日遅い開花宣言となった。気象情報会社のウェザーニューズは、前橋地方気象台の標本木(ソメイヨシノ)の開花日を4月2日、満開は同8日と予想している。

 太田市の「ぐんまこどもの国」では30日、既に一部でサクラが咲いていた。同市東別所町の会社員、高田香さん(31)は娘の四葉ちゃん(3)とサクラや野鳥の観察を楽しみ、「コロナが明けて初めての春。子どもがストレスなく穏やかに過ごせてうれしい」と笑顔で話していた。

 世界遺産登録10周年を迎える富岡製糸場(富岡市)では6、7両日にサクラを見るイベント「観桜会」が開かれる。実行委員会の春山邦雄事務局長(79)は「皆さんでサクラを囲みながら10周年を祝いたい」と期待した。

 31日も県内全域で晴れ、気温が上昇する見込み。予想最高気温は前橋26度、みなかみ17度。

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