「元祖ブラボーですからね」FC東京の森重真人が4/7鹿島戦で恩師と再会。封じ込めたいのは「プレーしやすい環境を自ら選択できる」アタッカー

“新”国立競技場になってから、FC東京はこの聖地で5戦無敗(4勝1分)。具体的には、2021年1月4日のルヴァンカップ決勝で柏レイソルを2-1と下すと、続く22年にはリーグ戦でガンバ大阪(22年4月29日)と京都サンガF.C.(同年9月18日)にいずれも2-0で勝利。そして昨季はリーグ戦で川崎フロンターレ(5月12日)に2−1と競り勝ち、ヴィッセル神戸(8月26日)には激闘の末に2-2と引き分けた。

まさに縁起の良いスタジアムで、今季のFC東京がまずホーム連戦として開催するのが4月3日の浦和レッズ戦と4月7日の鹿島アントラーズ戦。チームの最古参でディフェンスリーダーの森重真人は「(ここでの試合は)大歓迎ですし、国立の力を上位に食い込みたい」と勝利へのこだわりを示している。

この連戦で見どころのひとつは、森重と恩師ランコ・ポポヴィッチ(現・鹿島監督)の再会。かつてFC東京を指揮したポポヴィッチ監督について、森重は懐かしそうな表情で当時の話をしてくれた。

「ポポヴィッチ監督と一緒にやっていた期間(12~13年)は楽しかった記憶があります。残念ながらチームの成績は伴わなかったですが、やっている(攻撃的な)サッカーや監督が伝えてくれたことはタメになりましたし、今回対戦できるのは凄い楽しみ。もちろん負けたくないです」

鹿島の練習場でも相変わらず「ブラボー」というポポヴィッチ監督の声が響いているそうだと森重に伝えると、「元祖ブラボーですからね(笑)」と笑顔で返してくれた。

ポポヴィッチ監督率いる鹿島について「監督が代わっても、伝統的な勝負強さや戦う姿勢は失われていない」と話す森重が、その試合で最も気をつけたい選手としてピックアップしたのは、“鹿島の魂”とも言える「鈴木優磨」だった。

「良い選手で熱いものを持っています。責任感もあるし、鹿島の中心であり象徴でもあります。フォワードのエリアにずっといるというよりはプレーしやすい環境を自ら選択できる。そこで上手くボールと関わりつつ、ゴール前にいなきゃいけない時はそこにいるので、勝負強いなと」

その鈴木を封じ込めることが、森重にとってはポポヴィッチ監督へのひとつの恩返しなのかもしれない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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