国の重要文化財・観音菩薩が里帰り 一関・大東の東川院

修理を終えて東川院観音堂に安置される重要文化財「木造観音菩薩坐像」

 岩手県一関市大東町の東川院(とうせんいん)(大場浩俊住職)が所有する国の重要文化財「木造観音菩薩(ぼさつ)坐像(ざぞう)」の大規模修理が終わり26日、境内の観音堂に約2年ぶりに戻った。変色した塗装を剝がすなどの修理を経て、800年前の制作当初に近い金色の観音菩薩がよみがえった。

 関係者約20人が見守る中、修理した美術院国宝修理所(京都市)の担当者らが観音堂に搬入。梱包(こんぽう)を解いて台座、光背、坐像本体などを据え置いた。

 今回の修理では、変色していた過去の修理による塗装を剝がし、隠れていた金箔(きんぱく)が姿を現した。左頰や胸には制作当初の金箔も一部残っていた。首周りの厚塗りを剝がしたことなどにより、やや引き締まった表情に見えるという。

 毎月18日のご縁日の一般拝観を4月に再開。修理完了などを祝う法要と記念講演を今後予定している。

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