和歌山工場にも立ち入り検査 小林製薬、原料の製造移転先

立ち入り検査のため、小林製薬の子会社工場に向かう厚労省の担当者ら=31日午前9時29分、和歌山県紀の川市

 小林製薬の「紅こうじ」を使ったサプリメントを巡る健康被害問題で、厚生労働省と和歌山県は31日、食品衛生法に基づき、同県紀の川市にある子会社の工場を立ち入り検査した。原料を製造していた小林製薬大阪工場の移転先で、製造ラインなどを調査。サプリを摂取したとみられる死亡例は計5人に上っており、厚労省は原因究明を急ぐ。

 紀の川市の工場は、老朽化により昨年12月に閉鎖された大阪工場の設備を引き継いだ。県によると、子会社の梅丹本舗が1月から製造を担っていた。厚労省と大阪市は30日、大阪工場を立ち入り検査していた。

 紀の川市の工場には午前9時半ごろ、厚労省と県の担当者20人近くが入った。現地で記者団の取材に応じた小林製薬の担当者は「検査に全面的に協力したい」と話した。

 小林製薬は29日の記者会見で、健康被害の原因として青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が影響した可能性があると説明。工場をはじめとする製造ラインを点検する方針を示している。プベルル酸は大阪工場で昨年4~10月に製造された原料に含まれていた。

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