こんなホットケーキ食べたことない…!衝撃的においしい“フルーツクリーム”と味わう絶品を発見♪【ホットケーキ連載3】

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 店入口の上部にもメニューに描かれているのと同じイラストが飾ってある

2013年、『ホットケーキパーラーフルフル赤坂店』(以下フルフル赤坂店)がオープンした。

万惣出身の其田秀一(そのだひでいち)さんと川島克之さんがはじめたホットケーキとフルーツの専門店だ。

「いろいろな果物を使った料理を食べていただこうと思い、『フルーツフル』でフルフルと命名しました」(川島さん)

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 万惣出身の川島克之さん。もう一人の創業者の其田秀一さんは、2015年にオープンしたフルフル梅ヶ丘店在籍

フルフル赤坂店にふれる前に、万惣の歴史を紹介する。

1846(弘化3)年に果物屋として神田に創業した。

その後全国各地で万惣フルーツパーラーの名で多店舗展開していった。

ほとんどの店で果物を販売したようだが、ホットケーキを出す店と出さない店があった。

其田さんは、ホットケーキを出していた神田本店などで約17年ホットケーキを焼き続けた。

一方、川島さんは、メニューにホットケーキをかかげなかった銀座松坂屋店に7年ほど勤務。

フルーツサンドやフルーツポンチ、パフェなどフルーツに特化した店で修業した。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 素敵なイラストが描かれたメニューの表紙。左からホットケーキ、メロン、コーヒー、カトラリー、フルーツパフェ

万惣がすべての店舗を閉じた翌2013年、「万惣の伝統と味を残そう」と考え、2人はフルフル赤坂店を開業。

どんなホットケーキを提供しているのか、フルフル赤坂店を取材した。

フルーツクリームホットケーキを初体験!

「万惣同様、スタンダードのホットケーキ(2枚900円/以下すべて税込)と、フルーツクリームホットケーキ(2枚1600円)を出しています」

まずは、ふつうのホットケーキを作ってもらった。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 前日に作った生地と、当日仕込んだ生地を半分ずつ混ぜたものを焼いているそうだ

「万惣では、前日仕込んだ生地と当日作ったものを半分ずつ混ぜて焼いていました。うちでは、いまも万惣の混ぜ方を継承しています」

2日分をブレンドすることで生地が落ち着き、きれいに焼き上がるのだそうだ。

約10分ほどで美しい焼き色のホットケーキが完成した。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 スタンダードなホットケーキ。1枚もオーダーできる。バターとシロップが付いて450円

ホットケーキと一緒に、バターと自家製シロップが運ばれてきた。

「バターは万惣と同じ明治の有塩バターを使っています」

バターもシロップも好みの量を自分でかけて食べるスタイル。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 フルーツクリームホットケーキ(バターとシロップ付き)。ホットケーキの追加もできる。1枚450円

続いてフルーツクリームホットケーキが運ばれてきた。

写真を撮り忘れたが、バターとシロップが一緒に登場する。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 フルーツクリームの上には、カスタードクリームと、大粒のイチゴがトッピング

「フルーツクリームにはキウイやパパイア、バナナ、パパイア、イチゴに加え、季節のフルーツを刻んだものを混ぜてあります」

大きなイチゴは紅ほっぺ。夏はイチゴの代わりにぶどうをのせるそうだ。

イチゴとフルーツクリームの間には、何が盛られているのだろうか。

「カスタードクリームです。万惣ではフルーツクリームホットケーキにはシロップではなく、カスタードソースをそえていました。うちではカスタードソースにかわりに、カスタードクリームを盛っています」

万惣の遺産「おいしい食べ方」のイラストを発見

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 万惣が使っていた、ホットケーキのおいしい食べ方のイラスト

テーブルに「名物ホットケーキのおいしい召し上がり方」と描かれたイラストが置いてあった。

「万惣で使っていたものです。ランチョンマットほどの大きさでしたが、余白をカット。ラミネートフィルムで加工したものをテーブルに置かせていただいています」

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 「ホットケーキをずらし、バターをぬってください」

フルーツクリームホットケーキをどう食べるとおいしいのか。川島さんに教えてもらった。

「2枚重ねのホットケーキをずらし、2枚のホットケーキにバターをたっぷりぬってください。甘じょっぱくするとよりおいしくなります」

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 「バターをぬったらホットケーキを重ねて切ります。8等分にする方が多いようです」
【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 私はホットケーキを4等分にカット。シロップを半分にかけていただきました

ホットケーキを再び重ね合わせ、好みの大きさにカット。シロップをかける。

食べ方は人それぞれ。とはいえ、ホットケーキの半分にシロップをかけて、残り半分にフルーツクリームをのせて食べる人が多いそうだ。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 フルーツクリームをそえてもおいしかった。正直ハマりました。まじヤバい

シロップもいいけど、フルーツクリームで食べたほうが味わいが豊かだった。

いろいろなフルーツが入っているので甘かったり、ちょっと酸味があったり、食感も豊かでおいしかった。

コーヒーと一緒に食べるホットケーキが最高だった

ホットケーキにザラザラ感を感じた。けっして不快ではなく、あまり出会ったことがない食感だった。

じつは、今回取材させていた千葉の店でも蒲田の店でもホットケーキを食べているとき、同じようなザラザラ感を感じていた。

この舌ざわりは、どこに由来するのだろうか。

「熱伝導率がいい銅板で焼いたことで、生地に含まれる糖分が固まったのだと思います」

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 万惣ではガス式の銅板を使っていたが、フルフル赤坂店では電気式を導入

そしてもうひとつ。

フワフワで、歯ごたえがないホットケーキが多い。ところが、フルフル赤坂のはしっかりとした歯ごたえがあった。

「ちょっと硬い感じがするかもしれませんね。歯ごたえがあるのが、うちのホットケーキの特徴です」

しっかりとした歯ごたえも、銅板で焼くことで生じるのかもしれない。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 ホットケーキにはコーヒーもいいし、ミックスジュースも人気だそうです

ホットケーキに合う飲み物を教えてもらった。

「ホットケーキが甘いので、コーヒー(ドリンクセットでプラス400円)をおすすめしています。ミルクを入れる方もお見えですが、大半の方がブラックで飲まれます」

ホットケーキを食べながらコーヒーをブラックで飲むと、口のなかがリセット。フレッシュな気分でホットケーキをおいしく食べられる。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 白を貴重にした清潔感あふれる店内

「女性のお客様のなかには、ミックスジュース(ドリンクセットでプラス400円)を頼まれる方もいます」

ワイングラスでの提供なので少量だが、フルーツをウリにしているフルフル赤坂店だけにミックスジュースは大人気。

ショーケースのなかには色とりどりのフルーツサンドが並んでいた。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 後方の冷蔵庫にはフルーツが。左手のショーケースにはおいしそうなフルーツサンドが並んでいた

「契約農家から届いた果物で作った自家製のフルーツサンドです」

万惣フルーツパーラーの伝統と味を継承するこの店は、ホットケーキだけでなく、フルーツを使った料理もおいしそうだった。

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】 店入口の上部にもメニューに描かれているのと同じイラストが飾ってある

【ホットケーキパーラーフルフル赤坂店】店舗情報

住所/東京都港区赤坂2-17-52パラッツオ赤坂103

電話/ 03-3583-2425

営業時間/11:00~19:30(LO19:00)、土日祝日11:00~18:30(LO18:00)

定休日/月曜(祝日のときは翌日)

ホットケーキパーラーフルフル梅ヶ丘店(世田谷区松原)もある

(うまいめし/ 中島 茂信)

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