マカオ税関、着衣の下に隠す手口の中古スマホほか密輸事案多数摘発…10日間で9件

3月21日に発見された中古スマートフォン36台を着衣の下に隠して密輸出を図った事案(写真:澳門海關)

 澳門海關(マカオ税関)は3月30日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対して厳格な取り締まりを行う中、直近10日間(3月18〜27日)でボディスキャナの活用による着衣の下に隠す手口密輸事案を9件摘発したと発表。

 税関によれば、摘発があったのは關閘と青茂のイミグレーション施設で、発見に至った密輸品はコスメティック製品2点、中古腕時計78本、中古スマートフォン238台とのこと。すべてマカオから中国本土への持ち出し(密輸出)事案。

 それぞれのケースについて、各イミグレーション施設にある税関検査場の「申告物なし」レーンを通過しようとした際に税関職員が呼び止め、金属探知ゲートやボディスキャナによる検査を実施した結果、着衣の下に密輸品を隠していたことが発覚。数十台もの中古スマートフォンを隠し持っていた人物もも複数いたという。

 上述の9件の密輸に関わったのは9人で、30〜75歳のマカオ居民及び中国本土居民。税関では、全員を対外貿易法違反で起訴済みとした。

3月25日に発見された物品を着衣の下に隠す手口で密輸出を図った事案2件(写真:澳門海關)

 2023年初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、中古スマートフォンの密輸が特に目立つ状況。

 税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を目当てに物品を隠したり偽装したりして運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨むとした。

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