男子テニス世界1位ジョコビッチ、苦楽を共にしたイバニセビッチと関係解消するもクレーシーズンを前に「次のコーチはまだ決まっていない」<SMASH>

男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/36歳)が、ジュニア時代に指導を受けた元世界7位のニコラ・ピリッチ氏(クロアチア/82歳)のドキュメンタリー映画『Legend』の上映会に出席。その中で先日5年間にわたって苦楽を共にしてきたゴラン・イバニセビッチ氏(クロアチア/元2位/52歳)とのコーチ契約を終了したことについて言及し、「次のコーチはまだ決まっていない」と明かした。

ジョコビッチは3月27日に更新した自身のSNSを通じ、2019年の芝コートシーズンから師事していたイバニセビッチ氏との師弟関係を解消したと発表。前述の上映会でジョコビッチは、今回の契約終了について「ポジティブな別れ方だった。およそ5年の時を経て、全てやり切ったと言えるところまで達した」と簡潔にコメントするとともに、かけがえのない恩師との個人的な関係は現在もまだ続いていると話した。

「第一に、ゴランは僕にとっても僕の家族にとっても生涯の友人だ。彼は私にとってとても大切な人だし、仕事上の協力関係が終わったからといって、僕らの友情が終わるわけではない」

続けてジョコビッチはイバニセビッチ氏と共に作り上げた数々の思い出をこう振り返った。

「僕らは一緒にスポーツの歴史を塗り替え、大会で優勝し、世界1位としてシーズンを終えるなど良いことがたくさんあったが、全米オープンでの失格やオーストラリアからの国外追放など、試練や苦難も経験した。彼が何よりもまず一人の人間として僕のためにそばにいてくれて、僕らの関係に正しい価値観をもたらしてくれたことは、これからもずっと忘れないと思う。そのようなケミストリーが素晴らしい結果をもたらした。ゴランの幸せを祈っている」
すでにクレーシーズンに向けた調整を開始しているジョコビッチ。現地28日にはSNS上で同郷の元世界王者ネナド・ジモニッチ氏(47歳)と共に練習を行なう姿が公開されたが、現状次のコーチについては「まだ誰になるのかは決まっていない」とし、こう締めくくった。

「そもそもコーチが就くのかどうかも含めてまだはっきりとした考えは持っていない。僕には子供の頃から(常に)コーチがいたが、今は自分に何が必要で、何が最も快適だと感じるかを自分で見極めようとしている。誰かがチームに加わる場合には報告するよ」

現時点でジョコビッチは「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月7日~14日/モナコ・モンテカルロ/ATP1000)からクレーシーズンをスタートする予定。そこまでに新コーチの発表があるのか、今後の動向に注目が集まる。

文●中村光佑

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