「不法占有」は当面回避 長崎「愛宕団地公民館」敷地 県が市に1年貸与更新 

敷地の無償貸与契約が更新された愛宕団地公民館=長崎市彦見町

 長崎県長崎市彦見町の集会所「愛宕団地公民館」がある県有地の市への無償貸与契約が3月末に終了する問題で、県が1年間の契約更新をしたことが29日、分かった。集会所は地元の愛宕団地自治会が所有しているため、県有地の「不法占有」となる可能性があったが、当面は回避された。
 市は1990年に県と無償貸与契約を締結。県は「一部地域の優遇になる」として敷地購入を求めていたが、市は公共施設の削減などを理由に応じない状況が続いていた。県は昨年3月に2024年3月末で契約を打ち切ると通知。地元住民から「地域活動ができなくなる」と不安の声が上がっていた。
 市は県に対して契約の継続を要望し、両者で今月まで協議。その結果、県は集会所敷地の在り方について今後も協議を続け、速やかに結論を出すことを前提に、来年3月末まで1年間の契約更新を認めた。
 同自治会の吉岡俊和会長は「当面は普段通り公民館が使えるようになり、ほっとしている。県と市は、住民の目線に立ち、問題の根本的な解決に向けて話し合いを続けてほしい」と求めている。

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