こけら落としに春風亭昇太師匠も 青森・弘前市に常設寄席「かだれ横丁」4月26日新規オープン

常設の落語寄席「弘前かだれ劇場」を開設予定の会場と、準備を進める水戸さん(右)、白尾さん

 青森県弘前市の中心街に4月、常設の落語寄席がオープンする。弘前芸術鑑賞会(菊池清二代表理事)が約110席の「弘前かだれ劇場」を開設して同月26~28日にこけら落とし公演を行い、人気演芸番組「笑点」の司会の春風亭昇太・落語芸術協会会長らが出演する。同鑑賞会によると、明治期には同市の土手町と鍛冶町、和徳町の周辺に計三つの寄席が開かれていた歴史があり、関係者らは「演芸の拠点を復活させ、文化交流や発信の場所として育てたい」と意気込む。

 同鑑賞会は約7年前に発足し、市内のホールなどで落語や演劇の鑑賞会を開いてきた。会員らの「常設の小屋で落語を楽しみたい」という思いを受け、落語芸術協会が真打ちの落語家らの出演を快諾したという。常設の落語寄席は地方都市では珍しい。

 かだれ劇場は、同市百石町の屋台村「かだれ横丁」内の多目的ホールを改装する。「わどなんど寄席」を月2回開き、二つ目(若手落語家)、色物(手品や漫才など)、真打ちが出演する。開場や開演を知らせる太鼓、演者の登場時に鳴らす出囃子(でばやし)は生演奏。同鑑賞会常務理事の水戸光宣さん(67)は「演者との距離が近いのが寄席の良さ。落語家さんらも、客一人一人の顔が見えるので噺(はなし)に熱が入るのでは」と話す。

 弘前大学落語研究会も、同劇場で落語会を月1回開催する予定。代表の白尾大雅さん(21)=人文社会科学部3年=は、劇場の機材購入費をインターネット上で募るクラウドファンディングなどで協力しており「使いやすい劇場になりそう。ここから落語研究会の活動を広めたい」と話す。

 こけら落とし公演には、桂米助や春風亭柳橋らも出演予定。また、オープン記念イベントとして4月20、21日に伊奈かっぺいさん(弘前市出身)のトークライブ、5月3日にはeスポーツ「ストリートファイター6」の公認大会を開く。

 同劇場では、高画質のプロジェクターを使った映画鑑賞会なども予定。会場の貸し出しも受け付ける。

 公演チケットは4月1日から販売予定で、インターネットでも購入できる。問い合わせは弘前芸術鑑賞会(電話0172-40-4082、午前11時~午後5時)へ。

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