海の安全と楽しさを広めるミス日本「海の日」 選ばれたのは東大で航空宇宙工学を学ぶ22歳

■「かお」 鹿児島市出身のミス日本「海の日」に選ばれた有馬佳奈さん

 小、中学校を鹿児島県南さつま市で過ごした。吹上浜でウミガメの観察やごみ拾いのボランティアに参加し「海は身近な存在だった」。約2000人の応募者から「海の日」に選ばれ、1年間、海の安全や楽しさを広めるため活動する。「鹿児島の海のきれいさも伝えていきたい」

 ぴんと背筋を伸ばし、笑顔を絶やさない。ミス日本コンテストは決勝に残ると、立ち振る舞いや日本文化などさまざまな勉強会に参加できることを知り、視野を広げようと応募した。

 東京大で航空宇宙工学を学ぶ22歳。航空機の空気抵抗を減らす構造について研究している。高校1年生の時に初めて飛行機に乗り、「鉄の塊がどうやって浮いているのだろう」と不思議に思い興味を持った。その後「父がたくさん本を買ってきて説明してくれたのがうれしくて、飛行機が好きになった」。研究者を志し研究に打ち込む。

 地方と都市圏の教育格差の軽減を目指すサークルにも所属する。教育委員会や学校の依頼に応じて、受験や大学生活についての情報が少ない地方や離島の高校生たちに自身の経験談を伝えている。「話を聞いた生徒たちが、目を輝かせながら『勉強の計画を立てます』など目標を持ってくれるのがうれしい」とやりがいを語った。

 鹿児島市生まれ。趣味は将棋で、高校時代には全国大会に出場した。「海の日」受賞を機に小型船舶免許2級を取得した。「車の免許を持っていないので、人生で初めての免許になった」とはにかむ。

将棋の話で鹿児島市の下鶴隆央市長と盛り上がる有馬佳奈さん

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