西之表市長選に元市議の浜上氏が出馬へ 馬毛島基地賛成派は2人目

浜上幸十氏

 元西之表市議の会社顧問浜上幸十氏(73)は31日、2025年3月の任期満了に伴う同市長選に無所属で立候補する意向を表明した。鹿児島県の馬毛島の自衛隊基地整備を推進する政治団体の副会長で、基地賛成派として2人目の表明。「国への協力姿勢を示し、支援を受けることで西之表市の活性化につなげたい」と述べた。

 市内で会見し、米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)を伴う基地整備について(1)戦争の抑止力になる(2)隊員らの滞在による経済効果(3)FCLP移転元の東京・硫黄島で旧日本兵の遺骨収集が進む-と賛成の理由を説明。第1次産業の人材確保や通学路などのインフラ整備、高速船の運賃低廉化といった課題の解決に取り組む考えを示した。

 前回21年の市長選でも立候補を表明したが、告示の約2週間に取り下げた。自らその経緯に触れ、「当時の森山裕自民党国対委員長から基地賛成派の一本化を求められた。その際の金銭授受はない」と強調した。

 同市住吉出身で種子島高校卒。警視庁を退職後に帰郷し、13年市議選で初当選した。再選挙となった17年市長選で敗れ、現在は建設関連の会社顧問を務める。

 次期市長選には、ほかに3人が立候補の意向を明らかにしている。馬毛島の基地整備を巡り、現職の八板俊輔氏(70)は賛否を明言していない一方、市議の杉為昭氏(57)が賛成、医師の三宅公人氏(71)は反対を掲げた。

西之表市長選への立候補を表明する浜上幸十氏=31日、西之表市

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