若田さんから「一生の宝物」届く 8歳の“宇宙少年”サイン入り写真に涙 宇宙へ、月へ、火星へ…夢描く

憧れの若田光一さんのサイン入り写真を持つ柴田洋仁さん。写真が自宅に届いてから額を用意した=28日午前、埼玉県さいたま市南区

 埼玉県さいたま市立浦和別所小学校2年の柴田洋仁(ひろと)さん(8)は、宇宙飛行士の若田光一さん(60)=さいたま市出身=にファンレターを送り、若田さんのサイン入り写真が今月25日に届いた。「柴田洋仁君へ」と書かれており、洋仁さんは「すごくうれしかった。一生の宝物にします」と笑顔で話した。

 洋仁さんにとって、若田さんは尊敬する憧れの存在。2023年3月、「将来の夢は宇宙飛行士」「若田さんをずっと応援しています」という内容のファンレターを送った。自己紹介を含め時間をかけて、便箋に丁寧に書いた。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の封筒が25日、自宅に届いた。母親の仁美さん(36)によると、洋仁さんは封を開け写真を見た瞬間、涙がじわーっとあふれたという。宇宙服を着た若田さんの写真に名前、若田さんの座右の銘「夢・探究心・思いやり」が金色の文字で記されていた。

 若田さんは子どもの頃の夢を実現し、宇宙飛行士として活躍。日本人最多5回の宇宙飛行、通算の宇宙滞在は日本人最長の504日余り。5回目の宇宙飛行で初めての船外活動を行った。映像を見守った洋仁さんは自身の夢と重ね合わせ、「地球の景色がすごくきれいだった。宇宙に行って宇宙遊泳をして、地球を見たい。月や火星にも行ってみたい」と話した。

 ブラックホールや銀河などの宇宙が大好きで、22年11月、中学生が学ぶ程度の難易度とされる「天文宇宙検定」(天文宇宙教育振興協会主催)の3級に合格。さいたま市の青少年宇宙科学館のほか、全国各地の天文台を家族と一緒に訪れている。23年3月初旬に、茨城県つくば市のJAXA筑波宇宙センターを見学して、宇宙飛行士への夢が「より強くなった」と語った。

 サインの日付は2024年3月18日。若田さんは31日付でJAXAを退職する。仁美さんは「お忙しい中、息子のために配慮をしていただき、ありがたく感謝している。若田さんが次世代を担う子どもたちを大切にしてくださっているのを実感した」と話していた。

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