京都の体験型音楽施設が1周年、佐渡裕が自動演奏ピアノに興奮

開館1周年を迎えた、体験型ミュージアム「永守コレクションギャラリー」(京都府向日市)。それを記念し3月27日、指揮者の佐渡裕と同館代表理事の永守重信氏によるトークショーがおこなわれた。

「永守コレクションギャラリー」1周年記念トークショーの様子。左から代表理事の永守重信氏、佐渡裕氏(3月27日・京都府向日市)

シリンダーオルゴール52点、ディスクオルゴール71点、オートマタ(からくり人形)92点など音楽史・美術史上希少なコレクションを347点所蔵する同ギャラリー。作品を展示するだけではなく、自動演奏楽器の歴史に残る100年以上昔に作られたオルゴールや、オートマタの音色と「カラクリ」に没入できる体験型施設となっている。

イベントで、佐渡はピアニストの演奏を忠実に再現することができる同館所蔵の約100年前のロールペーパー式自動演奏ピアノについて熱弁。作曲者本人であるジョージ・ガーシュインの演奏による楽曲『ラプソディ・イン・ブルー』が自動演奏ピアノから流れると客席からも大きな拍手が湧き、「100年前のガーシュインが僕の目の前でピアノを弾いていて、その背中が揺れているのが見えた。想像以上にテンポが速い!」と声を弾ませる場面も。

自動演奏ピアノ「スタインウェイ・デュオ・アート」

永守氏は、開館1年で想像を超える来場者があったことに感謝の意を表し、「もともとメカニズムに興味があって収集を始めたが、今では自宅にもオルゴールを置いてその音色に癒やされている。当館のオルゴールは、雑貨店で一般的に手にするものとは全く違う。近隣の幼稚園生も招待しているが、子どもたちがオルゴールにこんなにも歓喜してくれるとは思っていなかった」と話すと、佐渡も子どもたちの持つ純粋な感性の素晴らしさと無加工の生音に触れることの大切さに言及。次世代における感性の啓発についての思いを互いに共有していた。

開館1周年を記念し、同館では5月28日まで『春の特別展~美しい音をもとめて~「オルゴール職人たちの歩み」展』を開催する。水と空気が美しく、東洋のスイスと呼ばれる長野県諏訪地方で国内初のオルゴール量産化を成功させた会社の国産オルゴール製造の軌跡を紹介。 オルゴールの歴史と技術を継承するモノづくりの現場、そして最新技術を駆使した次世代オルゴールを交えて「オルゴールの今」を体感できるという。

「永守コレクションギャラリー」は入館無料(完全予約制・公式サイトより予約)。JR京都線「向日町駅」より徒歩10分、阪急電鉄京都線「東向日駅」より徒歩15分。開館日は月・火・木・金曜(祝祭日、GW、お盆期間、年末年始は休館)で、時間は朝10時から夕方4時まで。

「永守コレクションギャラリー」

住所:京都府向日市森本町東ノ口1-1 ニデックパーク
開館日:毎週月・火・木・金(祝祭日、GW、お盆期間、年末年始は休館 その他、展示替えなどに伴う臨時休館あり)
時間:10:00~16:00
料金:入場無料 ※完全予約制

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