「いつでも母校。誇りを持ってほしい」 西表島の古見小学校、128年の歴史に幕 卒業生ら200人が集い惜別

 【西表島=竹富】竹富町西表島の古見小学校(渡口里夏校長)の閉校式が22日にあり、128年の歴史に幕を下ろした。地域住民や卒業生、学校関係者ら約200人が集まり、この日卒業する児童3人とともに学びやの思い出を振り返った。

 同校は1895年に大川尋常小学校古見分教場として創立。今年、大原小学校との統合のため閉校となった。閉校は昨年5月から話し合い、12月に決まった。

 渡口校長は「残念ではあるが、卒業生にとって古見小学校はいつでも母校。誇りを持ってほしい」とあいさつした。

 卒業生を代表してあいさつした1964年入学の小橋川和美さんは、古見小には保育所がなく「将来は保育士になりたい」と志した。資格を取得して島に戻ってきた時には、交通の便が良くなったため子どもたちは別の保育所に通うように。「夢は果たせないままになったが、思い出は心に残った」と話した。

 PTA会長の今村愛さんは「128年という長い時間に思いをはせると、言葉にすることは難しい。ここでの日々の経験や思いがあって、この場が作られたと感じている」と話した。(奥沢秀一通信員)

古見小学校の閉校式に集まった児童や関係者ら=22日、竹富町の古見小学校

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