電動キックボードとはどのような乗り物?
電動キックボードとは、電動式モーターを搭載した乗り物で、2輪や3輪のタイヤが取り付けられており、立ち乗りで走行するのが特徴です。サドル付きの電動キックボードを選べば、自転車やバイクのように座ったままでの走行も可能です。2023年7月1日に道路交通法が改正されたことで、16歳以上であれば、特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードは、運転免許なしでも公道を走行できるようになりました。
電動キックボードの価格相場や維持費
電動キックボードを通勤手段にしたいのであれば、本体価格や維持費がどのくらいかかるのかを把握しておきましょう。
・電動キックボードの価格相場
電動キックボードを通勤手段として利用したいのであれば、公道の走行が可能なモデルを選んでおく必要があります。公道走行可能なモデルの価格相場は、5~20万円くらいです。
・電気代
電動キックボードは、充電したバッテリーで駆動する仕組みとなっているため、電気代がかかります。どの程度の電気代がかかるのかは、モデルによって異なります。
国内メーカーから発売されている電動キックボード(特定小型原動機付自転車に該当するモデル)の電気代を調べてみたところ、1回フル充電(最大航続距離50キロメートル)の電気代は、12円でした。往復の通勤距離が50キロメートルで月の出勤日数を25日とすると、電気代は月に300円(12×25)程度となります。
・保険代
電動キックボードは、自賠責保険の加入が義務付けられています。保険料は加入期間によって異なりますが、1年間の契約の場合の保険料は6910円です。なお、2024年4月より、特定小型原動機付自転車の保険料区分が新設される予定です。
・税金
特定小型原動機付自転車は、軽自動車税(種別割)の課税対象です。取得した翌年度から、2000円が課税されます。
・ヘルメット
電動キックボードは、ヘルメット着用の努力義務があります。損害保険ジャパン株式会社(東京都新宿区)が2023年10月31日~11月3日にした、「電動キックボードに関する意識調査」(調査対象:16歳以上の男女の1076人)によると、電動キックボード運転時にヘルメットを着用していると答えた人の割合が81.7%でした。
この調査からは多くの人がヘルメットを着用していることが分かります。安全のためにも、ヘルメットは着用したほうがよいでしょう。ヘルメットは2000円程度から数万円するものまで、さまざまな種類があります。
電動キックボードで通勤したいならば職場の了承を得ておこう!
会社から支給される交通費の範囲内で、電動キックボードの維持費を賄いたいと考えているのであれば、事前に会社に申請して了承を得ておかなければなりません。通勤手当を受給している場合は、通勤手段や経路の変更は報告の義務があります。
実際にかかった費用よりも高い金額の交通費を受給すると、不正受給とみなされる可能性があるからです。場合によっては、会社から過払い金額の返還を求められることもあるでしょう。電動キックボードでの通勤を認めていない会社もありますので、その点も確認が必要です。
電動キックボードの維持費を会社支給の交通費で賄えるかは会社による!
電動キックボードを通勤手段にすれば、渋滞や満員電車のストレスから解放されることでしょう。ただし、保険代や税金、電気代、ヘルメット代など、さまざまなコストがかかります。往復の通勤距離が50キロメートル以内に収まるのであれば、月の電気代は300円程度で済む可能性があります。電動キックボードで通勤したいのであれば、会社の交通費支給のルールをよく確認し、きちんと申告して了承を得ておくことが大切です。
出典
警察庁 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について
国土交通省 損害保険料率算出機構 自動車損害賠償責任保険基準料率
一般社団法人日本損害保険協会 【自賠責】特定小型原付の保険料(共済掛金)返還について
総務省 特定小型原動機付自転車について
損害保険ジャパン株式会社 電動キックボードに関する意識調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー