島根補選、自民「王国」死守訴え 弔い合戦、裏金事件で逆風

島根県雲南市内で演説する自民党の小渕選対委員長と錦織功政氏(左)=31日

 衆院3補欠選挙(4月16日告示、28日投開票)の投開票まで1カ月を切る中、自民党は31日、島根1区で議席死守を訴えた。東京15区、長崎3区は独自候補擁立を見送る方向で、「保守王国」の島根で議席を失えば政権運営に打撃となるのは必至。派閥の政治資金パーティー裏金事件などを受け、強い逆風にさらされている。

 「皆さまの思いを踏みにじる形になった」。小渕優子選対委員長は31日、島根県雲南市で支援者らに陳謝。擁立した前中国財務局長の新人錦織功政氏への支持を呼びかけた。

 補選は自民の細田博之前衆院議長の死去に伴う弔い合戦。細田氏が旧統一教会との関係を指摘されたことに加え、会長を務めた清和政策研究会(現安倍派)の裏金事件により、当初の楽観視から「一転して苦戦」(党幹部)となった。

 一方、立憲民主党は元職亀井亜紀子氏を擁立。共産党は自主的に、国民民主党は県連レベルで支援し、野党候補を一本化する。与野党が事実上の一騎打ちとなる島根1区を「勝負の分かれ道」(泉健太代表)と位置付け、党幹部を相次いで投入する。

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