日本郵船の「作業員輸送船」国内初造船 釜石・小鯖船舶工業

小鯖船舶工業が受注したCTVのイメージ図(日本郵船提供)

 岩手県釜石市の小鯖船舶工業(小鯖千年社長)は、洋上風力発電設備の建設やメンテナンスを担う作業員輸送船(CTV)の建造を進めている。国内造船所として初めて海運大手の日本郵船(東京都)から受注した。洋上風力発電は政府が再生可能エネルギー普及の「切り札」と位置付け、市場の拡大が見込まれる。日本郵船はCTVの国産化を進める方針で、小鯖社長は「釜石を国内最大規模の建造基地にしたい」と継続受注に意欲を示す。

 受注したのは1隻で全長約28メートル、幅約9メートル、総トン数約145トン。双胴船で定員は12人。1月に受注し設計を始め、2025年後半から26年の引き渡しを予定している。日本郵船によると、発注額は非公表。

 小鯖船舶工業は、アルミ軽合金船舶に注力する。軽量で耐久性に優れ、スピードが出せることが強み。港湾業務艇や漁船、貨客船などを手がけた経験があり、大手の注文にも応じてきた。

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