間もなく60歳になります。63歳から老齢基礎年金&老齢厚生年金を繰り上げ受給する場合は特別支給分は切り捨てられてしまいますか?

年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、65歳からの年金を繰り上げ受給する場合、特別支給の老齢厚生年金はどうなるのかについてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。 今回は、65歳からの年金を繰り上げ受給する場合、特別支給の老齢厚生年金はどうなるのかについてです。

Q:間もなく60歳になります。63歳から老齢基礎年金&老齢厚生年金を繰り上げ受給する場合は特別支給分は切り捨てられてしまうのでしょうか?

「間もなく60歳になります。高校卒業して6年半、2013年から現在に至るまで厚生年金に加入しており、63歳から特別支給の老齢厚生年金の受給資格があります。もし、63歳から老齢基礎年金&老齢厚生年金を繰り上げ受給する場合は特別支給分は切り捨てられてしまうのでしょうか?」(りんこさん)

A:63歳から年金をもらう場合は、ひと月あたり0.4%減額された老齢基礎年金と、63歳から受給資格をみたした減額されない特別支給の老齢厚生年金になります

老齢基礎年金は、原則65歳から受け取れますが、希望すれば、65歳なる前から受け取ることができます。これを繰り上げ受給制度といいます。繰り上げする期間に応じてひと月あたり0.4%減額された年金を一生涯終身で受け取ることになります。減額率は変わりません。 63歳から老齢基礎年金をもらう場合、24カ月(2年)早く繰り上げ受給することになるので、9.6%(0.4%×24カ月)年金受給額から減額されます。よって年金受給額は、年金受給額×90.4%になります。 相談者は63歳から特別支給の老齢厚生年金を受給資格があるとのことですので、63歳からもらえる年金は、9.6%減額された老齢基礎年金(老齢基礎年金×90.4%)と満額の特別支給の老齢厚生年金になります。特別支給の老齢厚生年金は、そのまま受け取れるので、切り捨てにはなりません。 相談者が65歳になると、特別支給の老齢厚生年金の支給が終わりますので、65歳以降は、9.6%減額された老齢基礎年金(老齢基礎年金×90.4%)と満額の老齢厚生年金を受け取れることになります。 監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー) 都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。 (文:All About 編集部)

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