「束子」は「たばこ」ではありません!【漢字クイズ】意外と読めない漢字3選

【漢字クイズ】vol. 29

正しく読めたらスゴイ!

最初のお題は「束子」。

まず、「子」の読み方は、みなさんご存じのものが多いと思います。訓読みの「こ」、音読みの「し、す」のほか、十二支の第一位(動物ではネズミ)を指すときは「ね」とも読めます。

「束」のほうも、見慣れた漢字のひとつです。訓読み「たば」のほか、「束縛」、「約束」などで使われる「そく」という読み方や、「つか」と読むこともできます。

では、この二つを組み合わせた言葉「束子」はなんと読むのでしょう?

「束子」は「たばこ」ではありません!

正解は、


「たわし」でした!

「束子」は、掃除や炊事をするときに使うおなじみのアレ。器物をこすって洗うための道具です。

では、なぜ「束」を「たわ」と読むのでしょう?

語源を調べてみると、束子はわらやシュロの毛を束(たば)ねてつくられたことから、「たはし」「たわし」となったという説がありました。(諸説あります)

今でも使われている「亀の子束子」は、1907年に西尾正左衛門氏が考案。シュロの葉の繊維などを束ね、二本の針金でより合わせて両端をつないだ楕円状のスタイルで、握りやすく使いやすいことから人気を得ていきました。

「賽子」の読み方は…?

正解は、


「さいころ」でした!

「賽」は、ふだんあまり見ない難しい漢字ですよね。でも、「お賽銭(さいせん)」などにも使われているので、サッと読めたかたもいるかと思います。

むしろ読めないのは、見慣れた漢字「子」のほうです。なぜ「ころ」なのでしょう?

『日本国語大辞典』によると、「ころ」は「ころがる」「ころころ」の「ころ」と同じ意味の接尾語、とのこと。「子(こ)」に親愛の意味を表す接尾語の「ろ」がついたと説明されています。

「さいころ」には、ほかにも采子、骰子、投子、角子などの表記があります。

「螺子」の読み方は…

正解は、


「ねじ」でした!

なかなか難しい読み方でしたので、読めたかたはスゴイです!

「螺子」とは、物を締めつけるのに使われる螺旋(らせん)状の溝があるもののこと。「螺」の音読みは「ら」で、螺子は「らし」と読んでもOKです。

そもそも「螺」は、巻貝や螺旋状のものを意味する漢字で、「法螺貝(ほらがい)」や「螺鈿(らでん)」などにも使われています。

また、「ねじ」という言葉の由来は、「捩(ね)じる」という動詞を名詞にしたものです。ほかに、「捻子」や「捩子」も「ねじ」と読めます。

「螺子」はあまり漢字で使うことはないかもしれませんが、遭遇したときサッと読めるとステキですよね。ぜひ、この機会に覚えてくださいね。

以上、意外な読み方をする漢字3選でした。次回もお楽しみに!

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