「日本人左腕に何も与えなかった」レイズ戦3失点降板の菊池雄星を地元メディアは擁護。味方打線の援護不足を強調

トロント・ブルージェイズの菊池雄星が現地時間3月30日、敵地でのタンパベイ・レイズ戦で今季初先発のマウンドに登った。4回1/3で打者22人に対し、被安打6、4奪三振、3失点という結果に終わっている。

3回に2者連続四球から適時打を浴びて先制点を失い、マウンドを降りた5回には主軸のランディ・アロザレーナに本塁打を打たれるなど、2024年の初登板はやや精彩を欠いた。打線もこの日は1点に抑えられ、チームは1-5で敗戦。連日の黒星となり、菊池は今季1敗目が記録されることになった。

期待とともに開幕3試合目のマウンドを任されたが、この日は悔しい結果に終わった菊池。だが、初回、アロザレーナとの最初の対戦ではストレートで空振り三振に斬って獲っており、その後、下位打線から変化球でも三振を奪っている。ボールのキレは十分だっただけに、次回以降に期待を持たせるピッチングだったと言えるだろう。

今季初登板となった菊池のピッチングは、地元メディア『TORONTO SUN』からの評価も決して低いものではないようだ。

試合後のレポートの中では「彼のシーズン・デビューは、4.1イニングのうちクリーン・イニングは1つだけで、6安打、3四球、自責点3を許したが、堅実なものであった」と報じている。さらに「キクチはこの日唯一の1-2-3のイニング(4回)の後、アロザレーナに逆方向へのホームランを打たれ、続くアイザック・パレデスにシングルを打たれて降板した」と振り返った。

また、前日に続いて迫力に欠けたブルージェイズ打線にも言及、「その攻撃陣は、時折不安定ながらもチームにチャンスを与えるには十分安定していた日本人左腕に何も与えなかった」と綴っており、さらに「トロントの打線は何もせず、レイズは土曜日の午後に5-1で驚くほど簡単に勝利を収めた」と自軍の援護が無かったことを強調した。

菊池のパフォーマンスに関して同メディアは他にも、「全体として、ジェイズはキクチが自己最多の11勝を挙げ、167.2イニングを投げた2023年の素晴らしいシーズンに続くことを確信している」と期待を寄せている。

また記事では、菊池本人がこの日の投球について、「今日はチェンジアップに取り組んでいましたが、それを活かして次のスタートにつなげたいと思います」と述べたとしており、また、ジョン・シュナイダー監督が「彼が本当に高い基準を(自分に)要求していることは、誰もが知っていると思う」「あとは実行するだけ」と信頼を寄せるコメントを語っていたことも紹介している。

結果には結びつかなかったが、菊池自身も振り返るように、次につなげられるパフォーマンスだったことは間違いない。次回登板での初白星へ、確かな手応えを掴んだこの日の内容だったのではないだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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