中国、自閉症児のリハビリ支援進む 親の愛情と努力が後押し

中国、自閉症児のリハビリ支援進む 親の愛情と努力が後押し

27日、保護者同伴の下、貴陽市の施設でリハビリを受ける子どもたち。(貴陽=新華社記者/李驚亜)

 【新華社貴陽3月31日】中国貴州省余慶県白泥鎮下里村出身の彭さん(37)にはもうすぐ7歳になる娘がいる。娘は中等度の自閉症を患っており、貴陽市でリハビリを続けて2年以上になる。彭さんは「娘のことが一番気がかり。訓練を続けて将来自立できるようになってほしい」と話す。

 彭さんは夫を交通事故で亡くしており、日々の生活やリハビリにかかる経済的負担は少なくない。「娘はリハビリ1日につき政府からの補助金80元(1元=約21円)余りを受け取ることができる。家計の負担を軽くし、私を後押ししてくれる」と彭さんは語った。

 娘の変化も彭さんのモチベーションにつながっている。リハビリを受ける前は、ほとんど話さず、人と関わり合うことの少なかった娘が、今では自分で着替えができ、たくさん話ができるようになり、他の子どもたちと遊びたがったり、簡単な漢字を書いたりもできるようになったという。

 自閉症の子どものリハビリは、開始時期が早いほど将来の社会進出に有利になることが研究によって証明されている。中国政府はここ数年、自閉症児のリハビリを積極的に支持し、補助金を支給するほか、障害者連盟や病院、民間団体などによるリハビリサービスの提供を力強く支援している。

中国、自閉症児のリハビリ支援進む 親の愛情と努力が後押し

27日、貴陽市のリハビリ施設で撮影した自閉症の人が作った手工芸品。(貴陽=新華社記者/李驚亜)

 自閉症の子どもがリハビリを経て進歩する背景には、保護者たちの多大な努力と深い愛情がある。

 貴陽市在住の黄習(こう・しゅう)さん(50)の娘、文欣(ぶん・きん、仮名)さんは低出生体重児として生まれた。生後3カ月余りで先天性の白内障が見つかり、6カ月で眼内レンズの移植手術を受けた。黄さんは「手術後、娘が普通の子どもたちとは違うことに気付いた。彼女は友だちと遊ばず、危険も察知できなかった。病院で中等度の自閉症と診断された」と当時を振り返った。

 文欣さんは4歳半からリハビリ施設で訓練を開始し、10歳で小学1年生のクラスに入学した。しかし文欣さんは弱視と思考がゆっくりしていることから学校生活にうまく適応できず、市内の学校を転々とした後、再びリハビリ施設に戻って訓練を続けた。

 現在19歳になった文欣さんは、自分のことは自分できるようになり、母親の家事を手伝えるようにもなった。黄さんは「以前は心配でおろおろしている親だったが、気持ちを切り替えて、娘と一緒に毎日を大切に過ごしている。今は幸せで、とても満足している」と語った。(記者/李驚亜)

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