難病で知的障害のある長男を抱きしめて保護してくれた…親切な男性ランナーに「お礼が言いたい」 姶良市の女性

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 「難病で重い知的障害のある長男を保護してくれた男性にお礼が言いたい」。鹿児島県姶良市の東條由希さん(39)が、車道に飛び出しそうになった長男(10)を、ランニング中に抱きしめて助けてくれた男性を捜している。

 2月12日午後6時ごろ、鹿児島県霧島市隼人町小田の小田バス停付近で、近くの宿泊施設から長男は行方不明になった。慌てて辺りを捜すと、薄暗く交通量の多い県道近くで男性に抱かれて保護されているのを見つけた。車の危険性が理解できない長男は、車道に向かいふらふらと歩いていたらしい。

 長男は症例数が少ない難病のコフィン・シリス症候群。由希さんが夕食の準備で数分目を離した間に、鍵を開けて素足で外に出ていた。「気が動転していて名前や連絡先も聞けなかった。もう一度しっかりお礼が言いたい」と東條さん。その後、何度も現場に通って男性を捜したが、会うことはできなかったという。

 男性は30代くらいで身長170センチほど。黒い上下のウエアにニットのような帽子をかぶっていた。「隼人町真孝から来た」と話したという。

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