中国電動タクシー、タイの空の玄関口でグリーン化に貢献

中国電動タクシー、タイの空の玄関口でグリーン化に貢献

14日、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港の駐車場で、広汽埃安の電動タクシーに充電するドライバー。(バンコク=新華社配信)

 【新華社バンコク3月31日】タイ最大のスワンナプーム国際空港は、年間旅客数が5千万人を超え、同国を訪れる多くの観光客の玄関口となっている。空港を運営するタイ空港公社(AOT)は1月、旅客のモビリティー体験の一層の向上を目指して中国自動車大手の広州汽車集団傘下の電気自動車(EV)メーカー、広汽埃安新能源汽車(AION)と提携。空港タクシーに電気自動車(EV)を導入し、グリーン(環境配慮型)モビリティー空港づくりを支えている。

 バンコクでタクシー業に8年従事するスチャットさんは、化石燃料車を7台保有し、1台目の電動タクシーに広汽埃安のEVを購入した。2カ月余り運転してみて満足しているとし、「電動タクシーの馬力は十分で、走り出しが速く、車内空間も大きいため、広くて快適だ」と話した。コストパフォーマンスが高く、経済的な点に最も満足しているという。「化石燃料タクシーは、1カ月の燃料費とメンテナンス費に合わせて2万バーツ(1バーツ=約4円)かかるが、電動タクシーは充電するだけで、ほとんどメンテナンス費もかからず、1カ月にコストを3分の1削減できる」と説明した。

中国電動タクシー、タイの空の玄関口でグリーン化に貢献

14日、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港の駐車場で、広汽埃安の電動タクシーに充電するドライバー。(バンコク=新華社配信)

 AOTのケラティ・キジマナワット社長によると、低炭素モビリティーを奨励するタイ運輸省の方針を受け、AOTは同空港をグリーン空港のモデル、または同国初の環境に優しい空港とするため、電動タクシー切り替え計画を試行した。電動タクシーサービスの導入だけでなく、タクシーが便利で素早い充電ができるよう、空港Eエリアの長期駐車場に40キロワット充電設備16基、150キロワット充電設備2基も設置した。

中国電動タクシー、タイの空の玄関口でグリーン化に貢献

 14日、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港付近を走る広汽埃安の電動タクシー。(バンコク=新華社配信)

 タイは東南アジア地域の重要な自動車生産国であり、産業チェーンが整い、カバー範囲が広い強みを持つ。ここ数年、中国自動車メーカーのEV発売、工場建設が相次いでいる。タイ工業連盟(FTI)によると、23年の国内乗用車販売台数約40万7千台のうち、バッテリー式EV(BEV)は前年比7倍の7万3千台以上だった。タイ運輸省陸運局は、23年に新規登録されたBEVの80%以上を中国ブランドが占めたとした。

中国電動タクシー、タイの空の玄関口でグリーン化に貢献

14日、タイ・バンコクで、広汽埃安の電動タクシーを運転するドライバー。(バンコク=新華社配信)

 広汽埃安は23年9月、バンコクで最初の海外モデルを発表、今年初めには、東部ラヨーン県の工業団地で工場の建設を開始した。タイ現地法人の馬海洋(ば・かいよう)総経理は、タイでのEV工場と付帯施設の建設は同国のグリーン空港構想と一致し、これは双方の提携の基礎だと説明。広汽埃安はすでに、タイで電動タクシー1500台以上を納車しており、今後は電動タクシーを国内の他の空港や全土に段階的に普及させると述べた。

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