外国人厩務員が最多勝 金沢競馬初、比出身・ガルシアさん なり手不足、大きな戦力

担当する競走馬の世話をするガルシアさん=金沢競馬場

 昨シーズンの金沢競馬で、フィリピン出身の厩務員(きゅうむいん)ガルシア・レイ・マーク・コロネルさん(35)の担当する競走馬が34勝を挙げ、外国人で初めて年間最多勝利に輝いた。金沢で3年目のシーズンを迎えたガルシアさんは「またナンバーワンになれるよう頑張る」と意気込んでいる。

 マニラで生まれ育ったガルシアさんは16歳で競馬関係の仕事に就き、2018年に来日した。最初は千葉の牧場で働き、小松の牧場へ移った後、2年前に金沢競馬にやって来た。

 一昨年のシーズン途中から加藤和宏調教師の厩舎(きゅうしゃ)に所属。競走馬6頭を担当し、昨シーズンは出走回数91回で1着34回の成績を残した。

 明るい性格で周囲から「レイ」と呼ばれて親しまれており、加藤調教師は「積極的に仕事をする。任せておける」と評価している。

  ●外国出身者18人

 県競馬事業局によると、金沢競馬では3月1日現在、厩務員が111人おり、このうち外国出身者は18人を数える。割合は年々増え、加藤厩舎でも9人中5人はフィリピン人とインド人。深夜から早朝の仕事が多い厩務員のなり手不足の中、外国出身者は大きな戦力となっている。

 フィリピン帰国中、元日の能登半島地震をテレビで見て驚き、仲間のことが心配だったというガルシアさん。「ちょっと忙しいけど、馬が大好き」と持ち前の笑顔を取り戻し、2日にスタートする「復興支援シーズン」での勝利を誓った。

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