復興の祈り氷見に響く 東北ユースオケ公演生中継 富山、石川の800人拍手

富山、石川の両県から訪れた観覧客=氷見市芸術文化館

 東日本大震災の支援活動から誕生した東北ユースオーケストラ定期演奏会のライブビューイング(富山新聞社、北國新聞社後援)が31日、能登半島地震の復興祈念イベントとして氷見市芸術文化館で開かれた。会場には富山、石川の両県民800人を無料で招待。昨年3月に死去した音楽家坂本龍一さんが監督を務めていた楽団が、力強い音楽を響かせた。

 東北ユースオーケストラは東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県出身の小中高生、大学生を中心とした楽団。演奏会は東京のサントリーホールからの生中継映像を上映した。

  ●吉永小百合さん朗読

 1周忌を迎える坂本さんの追悼公演でもあり、坂本さんの楽曲など14曲を披露。東日本大震災直後に発表した「Kizuna World」では荘厳な調べが聴衆を引き込んだ。

 女優吉永小百合さんも出演し、東日本大震災の被災者らの詩を優しく語りかけるように朗読した。ラストの「戦場のメリークリスマス」では、坂本さんの演奏映像も上映され、会場は拍手に包まれた。

 氷見市朝日丘の近岡悦子さん(81)は「重厚で素晴らしい音楽が心に染みた。氷見や能登を思ってくれることに感謝しかない」と語った。

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