「松本人志VS文春」裁判の〝人定質問〟に賛否 水面下で神経戦に突入していた

松本人志

ダウンタウンの松本人志(60)と週刊文春の訴訟の〝人定質問〟が反響を呼んでいる。

松本が文春の発行元の文芸春秋と文春編集長を相手取った訴訟は3月28日、東京地裁で第1回口頭弁論があり、松本の代理人の田代政弘弁護士が、文春の記事上で被害を主張したA子さん、B子さんについて氏名、自宅住所、生年月日、携帯番号などの開示を求めた。当事者を特定する、いわゆる人定質問だ。田代弁護士は、これが分からないと記事内容の認否はできないとのスタンスだ。

文春の代理人の喜田村洋一弁護士は反発。身元が分からないと認否できないというのは「そんなアホなことあるかいな」と首をひねった。

人定をめぐっては専門家やSNSで賛否両論を呼んでいる。「賛」は主に、原告、被告の双方でA子さん、B子さんを確認した上で改めて匿名に付すべきとの意見で、「否」は主に、性加害の被害を訴えたのだから配慮すべきとの意見だ。

人定の攻防をめぐっては伏線があった。

一般的に原告は訴状を作成する際、被告の所在地、住所を特定する。訴状を裁判所に送付すると、受理した裁判所はこれを被告の所在地、住所へ送付する。松本側の田代弁護士は訴状の中で、文春編集長の自宅住所は特定できなかったとした。そのため、訴状は東京地裁を経由して文芸春秋だけに送付。文春に実際に届いたのは2月15日だった。

これに文春側の喜田村弁護士は、第1回口頭弁論前に東京地裁に送付した書面で、松本側の訴状の中で〝被告名が間違っている〟と指摘した。文春は、週刊誌版の週刊文春とウェブ版の文春オンラインがあり、それぞれの編集長は異なるが、松本側の訴状では編集長を同一人物にしていたからだ。

「らつ腕で知られる喜田村弁護士が被告名の人定でチクリと〝不備〟を指摘し、田代弁護士がA子さん、B子さんの人定でやり返した格好。水面下ではすでに神経戦に突入していたんです」(法曹関係者)

人定をめぐっても、ともに一歩も引かないガチンコバトルの様相となっている。

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