残業規制、4業種でスタート 運転・建設・医師など就労改善

とさでん交通のバス運転手=2023年11月、高知市

 働き方改革関連法に基づく時間外労働(残業)の上限規制が1日、自動車運転業(トラック、バス、タクシー)、建設業、医師、鹿児島・沖縄両県の製糖業の4業種に導入された。過労死まで招いた長時間労働の反省から始まった働き方改革の節目で、就労環境の改善が期待される。一方で既に顕著だった人手不足がさらに深刻化。物流停滞、建設工期の遅れなど景気の減速要因となる「2024年問題」として強い懸念も広がっている。公共交通、医療提供体制への影響も注視され、社会全体で働き方を問い直す契機となりそうだ。

 この規制自体は19年から多くの業種で導入されていた。4業種は業務特性から長時間労働が常態化し、早期導入が難しいと判断。改善を図るため5年間猶予してきた。

 新たに、自動車運転業に「年960時間以下」などとする上限を導入。時間数や例外規定は業種により異なる内容だ。

 政府によると、物流分野で十分な対策が講じられない場合、24年度に輸送能力が14%、30年度には34%不足すると推計される。

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