中部整備局/新丸山ダム建設事業部会開く、事業費4100億円に増額・工期は7年延長

中部地方整備局は3月28日、第3回ダム事業費等監理委員会・部会(新丸山ダム建設事業部会)を名古屋市内で開いた=写真。物価上昇や現場条件の変更、働き方改革に伴う適正な工期確保などから事業費は約2100億円増の約4100億円、工期は7年延伸し2036年度までに見直したことを説明。同部会は見直し内容に理解を示したが、地域への説明やこれまで以上にコスト削減、工期短縮、生産性向上に取り組むことを求めた。
増額分の内訳は、公共工事関連単価等の変動など社会的要因の変化が約990億円。設計基準等の改定による貯水池地滑り対策追加に伴う変更が約180億円。法令改正による自然由来の重金属対応が約160億円。地質や構造など現場条件の変更によるものが約450億円。将来の不確実性への対応として、24年度以降の残事業費の約10%に当たる約270億円をリスク対策費として新たに盛り込んだ。コスト縮減では、重金属対応に伴う要対策土の判定を工夫し約34億円を削減した。
工期は、出水による現場の被災、働き方改革に伴う労働条件を考慮した適正な工期確保などを考慮し7年延伸した。週休2日の適用(降雨休止日の振り替えなし)や、超過勤務を前提とした2交代(最大21時間)から超過勤務を前提としない2交代に変更するなど施工計画を見直したことで、コンクリートの打設工程が25カ月延びた。一方、本体打設機械を大型化することで工期を17カ月短縮する。
委員からは、事業費見直しが地域社会に理解されるよう丁寧な資料作りと説明を行うことを求める意見が出された。これまで以上に早期の効果発現を意識した工程管理、最新の技術や知見を用いたコスト縮減、工期短縮なども求めた。

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