岩手の障害者雇用率、1977年以降で最高 背景に企業側の理解

 

 岩手県内企業で働く障害者が増えている。岩手労働局によると、民間の実雇用率(2023年6月1日時点)は法定雇用率(2.3%)を上回る2.42%で、1977年の調査開始以降で最高となった。企業側の理解や障害者が安定的に働ける環境の広がりが背景にある。一方で法定雇用率は4月から2.5%となり、その後も段階的に引き上げられる見通しで、共生社会の実現に向け一層の対応が求められる。

 県内に本社を置く1038社(従業員43.5人以上)の状況をまとめた。民間の実雇用率は前年比0.04ポイント増え、全国平均(2.33%)を上回り、東北では青森県に次ぐ2位。雇用障害者数は3538.5人(前年比0.2%増)で、内訳は身体1807.5人、知的1016人、精神715人だった。

 産業別の実雇用率は製造業(2.62%)、医療・福祉(2.84%)、卸売業・小売業(2.34%)など。法定雇用率の達成企業割合は59.2%(同0.3ポイント増)で最多を更新。一方、未達成企業の60.1%は1人も雇っていない。障害者雇用が進まない企業は小規模が多く、障害特性に合った業務を見いだせなかったり、サポートに回る人員不足が要因に挙げられる。

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