花巻文化伝える絵本と写真集 地域おこし協力隊の森川沙紀さん

花巻市の神楽や伝統工芸の窯元について伝える絵本と写真集を手にする森川沙紀さん

 花巻市地域おこし協力隊員の森川沙紀さん(37)=大阪府八尾市出身=は絵本「かみさまにあう~はなまきのかぐら~」と写真集「台焼」を制作した。早池峰神楽(岳神楽、大償(おおつぐない)神楽)と明治から続く台焼の作品や窯元を伝え、花巻の文化に親しみを深めてもらうことを願っている。

 「かみさまに-」は、絵も文章も手がけ、神楽が古くから伝わる神の舞であることを描く。アクリル絵の具を使い、鬼やてんぐなどの面、権現舞など演舞を紹介。岳、大償両神楽の保存会長に所作の描き方や言葉遣いの助言を得た。

 窯元「台焼」は1895(明治28)年に花巻市台で生まれ、東北では珍しい磁器を生産する。森川さんは2022年の協力隊着任時から同市湯本の工房に足を運び、5代目の杉村峰秀(ほうしゅう)さん(63)と交流を重ねる中で「伝え残したい」と思うようになった。

 ともに市発行。「かみさまに-」はA4判32ページで60部制作。市内の保育施設や図書館などに配り、市ホームページでも閲覧できる。「台焼」はA4判28ページで30部を作り、市内図書館などに配った。問い合わせは市定住推進課(0198.41.3516)へ。

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