酒田・スワンスケートリンク、30年の歴史に幕 新年度以降代替施設へ

長年、冬場に「スワンスケートリンク」として市民や愛好者に親しまれてきた屋内スケート場=酒田市体育館

 老朽化などで2023年度末での閉館が決まっていた酒田市体育館で、冬季に設けられてきた県内唯一の屋内スケート場「スワンスケートリンク」が31日、最終営業日を迎えた。長年親しまれてきたリンクは無料開放され、多くの市民らが滑りを楽しみ、開館から半世紀以上の歴史に幕を閉じた。

 家族連れやスケート愛好者でにぎわい、最後の氷の感触を確かめていた。午後6時、営業が終了すると氷上で記念撮影をする人たちもおり、慣れ親しんだリンクとの別れを惜しんだ。

 名古屋市出身で酒田市に移り住み、このリンクでフィギュアスケートに打ち込んできた、本県の国民スポーツ大会強化選手・高橋香織さん(22)は「発表会を開くなど思い出がいっぱい詰まった場所。なくなるのはさみしい」と話した。スケート場としての冬季営業は1994年からで、庄内スケート協会の富樫惣一会長は「30年間多くの人に愛されてきた。名残惜しい気持ちでいっぱいだ」と語った。

 市体育館は72(昭和47)年に建設された。老朽化やハザードマップの浸水想定区域に入っていることから2023年度末での閉館が決まった。市は24年度以降、市内の既存施設を活用した暫定的な屋内スケート場をオープンさせる方針を示している。

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