「踊る前から『雨の神様』に思い通じた」 大雨の中、雨乞いのクイチャー披露 沖縄・うるま市【動画あり】

 【うるま】ダムの貯水率が過去10年で最低の4割台となり断水も検討されている中、在沖久松郷友会の野崎クイチャー保存会(平良昌髙会長)は31日、うるま市石川楚南の倉敷ダムで、雨乞いのために宮古島の民俗舞踊「クイチャー」を踊った。この日は朝から雨が降っていたため、平良会長は「先を越されちゃった。踊る前から『雨の神様』に思いが通じたかも」と苦笑いしながらも、メンバー35人が掛け声を合わせ軽快な踊りを披露した。

 クイチャーは宮古島の民俗舞踊で、昔から雨乞いや豊作祈願などで踊られてきた。メンバーは円陣を組み、両手を前後左右に振って合間に手拍子を取りながら、同じ動作を繰り返す踊りを2回披露して、雨を招き寄せた。

 願いが天に届いたのか、雷が鳴るほど雨が強くなり、雨乞いの後に予定していた一般向けのクイチャーの練習会は中止に。

 那覇市から訪れた安謝小2年の川田琳(りん)さん(8)は「一緒に踊ってみたかった。残念だけど、大雨の中で最後まで踊っていてすごかった」と感激した様子だった。(中部報道部・又吉朝香)

赤土がむき出しになった倉敷ダムの前で「雨乞いのクイチャー」を舞う宮古島野崎クイチャー保存会=31日、うるま市石川(竹尾智勇撮影)

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