農業の経営継承相談どう対応 県など、支援者向け手引書作成

農業の経営継承促進へ作成したガイドブック

 農業の持続的発展に向けて重要な経営継承を円滑に進めようと、県とやまがた農業支援センターは、相談対応などで当事者に関わる市町村職員や農業委員、JA担当者向けにガイドブックを作った。協議の進め方や必要な手続きなどを盛り込み、支援に生かしてもらう。

 2020年農林業センサスでは、本県で5年以内に経営を引き継ぐ担い手を確保している生産者は約2割にとどまる。譲りたい人の掘り起こし、継承者の確保、マッチング、委譲後の経営安定化などの支援は地域ぐるみで取り組む必要性があり、市町村などの伴走型支援が重要となる。

 ガイドブックでは、経営者への聞き取りなどのアプローチ方法、具体的な協議内容、継承者に必要な生産技術や経理・財務の知識を紹介している。特に事例が少ない第三者継承は、メリットや失敗事例を詳しく示し、マッチング成立のために短期農業体験の活用などを推奨している。「希望者がいないか常にアンテナを高く張る必要がある」と呼びかけている。

 このほか農地の所有・売買などで生じる税金や相続税のシミュレーション、相談内容や今後のビジョンを記入して整理・共有できる「相談カード」「経営継承計画シート」、必要な手続き一覧などを盛り込んだ。計81ページ。関係機関にデータや印刷物として配布している。

© 株式会社山形新聞社