制服、帽子、通学カバン…何かと物入りな春だから、再利用したらどうだろう? 卒業生の呼びかけに130点集まる 出水・高尾野中

 多くの制服やかばんなどが集まり感謝するボランティアクラブ=出水市の高尾野中学校

 鹿児島県出水市の高尾野中学校のボランティアクラブ「×α(プラスアルファ)」が、不要になった制服などを、卒業した3年生や保護者に呼びかけて集めた。捨てる予定だった愛用品を学校で使ったり、後輩に譲ったりして再利用する計画だ。

 クラブのリーダーで3年の平原奈緒さんが、再利用の取り組みを母親から勧められたのがきっかけ。顧問の松尾郷志教諭(55)に相談して実現した。

 夏、中間、冬用の制服、体育服、ジャージー、帽子、通学かばんと集める物を決定。保護者には3月12日の卒業式で、制服のネームプレートを外したり、ポケットの中を確認するといった「お願い事」を書いたチラシを配った。

 28日は、同校の視聴覚室に3年生が続々と持ち寄り、制服やジャージー、柔道着など約130点が集まった。

 今後、学校で使う物と譲渡用に分ける。学校では、制服が汚れたときや、体育祭、文化祭の行事で利用する予定。平原さんは「呼びかけなかったら、使われないままになっていたかもしれない。思った以上に集まりうれしい」と善意に感謝した。

 松尾教諭は「制服は高価。背が伸びて買い替えが必要になることもあるので、助かると思う」と話した。

ボランティアクラブにジャージーなどを手渡す生徒(左)=28日、出水市の高尾野中学校

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