自転車専用レーン増えたが事故割合も増えた…46キロ整備完了の鹿児島市「歩道は歩行者優先。自転車は原則車道通行を」

道路に設けられた自転車専用通行帯=鹿児島市山下町

 鹿児島市は、自家用車から環境に優しい自転車利用への転換につなげようと、道路整備を進めている。専用通行帯を設けたり、歩道に通行位置を明示したりするなど2023年度末までに約46キロを完了。7月策定予定の整備計画では、33年度までに64キロまで拡張する方針だ。一方、自転車が絡む交通事故の割合は増加傾向で、市は「ルールを順守してほしい」と呼びかけている。

 市は、天文館やJR鹿児島中央駅周辺といった市中心部を対象区域とする「第1期自転車走行ネットワーク整備計画」を13年5月に策定。自転車が安全、快適に走行できるようにするため、国や県と連携しながら道路状況に合わせて整備を進めてきた。

 7月策定予定の第2期計画では、第1期で整備がほぼ完了した区域とつながる鴨池と城西地区のほか、谷山地区を新たに対象に追加。利用者の声を踏まえて、道路の段差解消の検討も盛り込まれる予定だ。

 市によると、市内の自転車関連死傷事故件数は、16年の309件から22年には162件に減少。しかし、全交通事故件数に占める割合は増加傾向で、22年は16年から2.4ポイント増の11.7%となっている。

 整備によって自転車の通行位置が明示されている歩道でも、すぐに停止できる速度で走行するのがルールという。市道路建設課は「歩道は歩行者が最優先で、自転車は車道通行が原則。今後も歩行者、自転車が安全に通行できるまちづくりを進めていきたい」としている。

 市は第2期整備計画素案のパブリックコメントを4月30日まで実施している。素案は市ホームページなどで公開する。

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