34歳で「年収600万円」、自分より高年収の相手を望むのは「高望み」ですか? いっそ1人で生きていくのもアリでしょうか? 老後も考え悩んでいます…

34歳で年収600万円超は全体の2割未満

転職サイトdodaの「平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)」(2022年9月~2023年8月調査)によると、34歳の平均年収は447万円です。

また30代で600万円以上の年収を得ている人は全体の17.5%です。5~6人に1人くらいの割合なので、相手として探すことは不可能ではありませんが、簡単なことでもないようです。ちなみに34歳の男女別の平均年収は、男性は492万円、女性は384万円となっており、女性で年収600万円であればかなりの高年収と言えます。

年収600万円なら想定年金は月額17万5870円

仮に年収600万円が退職まで続いたとして、65歳以降に受け取れる月額の年金を試算すると、月額で17万5870円となります(老齢基礎年金満額79万5000円+老齢厚生年金の加入期間40年で年収÷12×5.481/1000×加入期間月数480月で計算)。共働き夫婦の場合(年収600万円と年収400万円で試算)、2人分の年金は月額で約31万5000円となるでしょう。

年金だけで老後は安泰? 独身・夫婦の場合

総務省の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の単身者で無職者の1か月あたり平均消費支出は14万3139円、非消費支出は1万2356円です。前述の、年収600万円の場合の年金試算額から支出を差し引くと、17万5870円-15万5495円=2万375円となり、生活費以外に使える資金は2万円程度という計算になります。

一方、65歳以上の無職の夫婦の1か月あたりの平均消費支出は23万6696円、非消費支出は3万1812円なので、共働き夫婦(年収600万円と年収400万円)の年金試算額から支出を差し引くと、31万5000円-26万8508円=4万6492円となり、1人あたり2万3246円になります。つまり生活費以外の資金は単身者より夫婦のほうが若干多くなります。

以上の生活費は飲食費や住居費などで、予期せぬけがや病気の医療費、旅行や趣味などにかかる費用は含まれません。また平均住居費については1万3000円~1万6000円程度となっていることから、多くは持ち家と想定できます。

もし賃貸に住むなら毎月の家賃などより負担が大きくなります。いずれにせよ、年金でまかなえるのはほぼ生活費であり、それ以外の支出は退職金や現役時代の貯蓄などを取り崩すことになりそうです。

まとめ

年収600万円で、自分より高年収の相手を探すのは不可能ではありません。しかし、相手選びは年収だけでなく価値観や相性などにもよる部分もあることを考えると、簡単なことでもないようです。また生涯独身であっても老後の暮らしが安泰というわけでもありません。

大切なのは、1人がいいのか、パートナーがいたほうがいいのか、どう生きるのが自分に一番合っているのか明確にすることです。そしてどちらを選ぶにせよ、計画的な貯蓄など老後の資金対策はしっかり行っておくことが大切です。

出典

パーソルキャリア株式会社 平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)
総務省 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)

執筆者:根本由佳
FP2級、中小企業診断士

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