[防災・減災@沖縄]沖縄県北谷長北前区民が防災の心構え学ぶ 専門家「能登支援継続を」と呼びかけ

毛布担架での救護を体験する参加者=20日、北谷町・北前公民館

 沖縄県北谷町北前自治会(徳田伝自治会長)は20日、同区公民館で災害プラットフォームおきなわの有村博勝共同代表理事を招き、学習会「楽しく学ぶ防災in北前」を開いた。約70人の区民が参加し、話に耳を傾けた。(翁長良勝通信員)

 有村さんは、プラットフォームおきなわのメンバーと1~3月にかけて、鹿児島県から陸路で石川県に入り、能登半島地震の被災者にキッチンカーで沖縄そばなどを提供したり、がれきを片付けたりした体験を話した。

 県内企業から寄贈された沖縄そばやかまぼこなどに「暖かい汁ものが欲しかった」と被災者から感謝されたという。

 現地の様子を写真でも紹介した。

 有村さんは、災害時に大きな支えになるのが地域の人のつながり「共助」だと強調。地域の祭りなどが人のつながりを醸成する機会になると訴えた。

 北前区は海が近く、津波が懸念されると指摘。津波が来たら、てんでばらばらに高台に逃げろと説く岩手県三陸地方の「津波てんでんこ」を念頭に置いてほしいと呼びかけた。

 発生から3カ月がたった能登半島地震について「被災地の復興には時間がかかる。忘れることなく意識して支援を続けてほしい」と呼びかけた。

 その後、参加者は、ジャッキを使って机やタンスに挟まれた人を救助したり、毛布担架で救護する実習を体験した。全員に備蓄米のごはんを使用したカレーの提供もあった。

能登半島地震について講話する災害プラットフォームの有村博勝共同代表理事

© 株式会社沖縄タイムス社