全国高校ライフル射撃競技選手権大会 秋吉柚奈(由布2年)が6位入賞 【大分県】

無欲の勝利だった。全国高校ライフル射撃競技選手権大会に初出場した秋吉柚奈(由布2年)は、女子ビームライフル立射の予選を自己最高の630・1点で突破し、6位入賞した。決勝の舞台でも臆することなく自分の間合いでトリガー(引き金)を引いた。「緊張せずに楽しめた。ファイナルまで残るとは思っていなかったので気楽に撃てた」とケロリと言う。

全国舞台は初めて。競技中は銃を安定して持ち続ける据銃(きょじゅう)姿勢を意識し、「それ以外は無だった」と振り返る。身長151cmの小柄な秋吉は、硬質の射撃コートを身にまとうと動きが制限されるが、「射場に立つと人が変わる」と野畑卓宏監督。普段は穏やかで優しい性格の秋吉にはスイッチがあり、集中力を高め、標的に向かうと戦闘モード全開となる。「普段は冷静で試合になると強気。射撃に向いている性格」(野畑監督)

集中力を高めて練習に取り組んでいる

その集中力は練習から培われたものである。趣味でスケートを楽しんでいた少女が小学6年時に初めてライフル射撃を知り、強烈な印象を受けた。徐々に競技熱が高まり、ライフル射撃部のある由布高校を受験した。入学と同時に入部し、練習に明け暮れた。熱心さのあまり銃を支える左手の神経を痛め、ドクターストップがかかるほどだった。秋吉は「やりたいことがみつかった。練習すればするほど的中率が高くなる。それが楽しくて仕方なかった」とのめり込んだ。

競技を始めて1年足らずで全国トップクラスにランクイン。秋吉は「全国大会で結果を残せたことが自信になった。これから追われる立場になるが負けたくない。まだまだ技術は上がるし、メンタルを強くしたい」と向上心があふれる。全国大会後も黙々と練習する日々は続く。次の標的は夏の全国大会と秋の国体。「卒業するまでに日本一をとりたい」と語った。

練習熱心な秋吉柚奈

(柚野真也)

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