消火栓の旗、コツコツ手作り3千枚 針生倖吉さん(青森市)、10年間寄贈続ける

針生さんが寄贈している赤い旗
針生さんが制作した旗が取り付けられた消火栓

 青森市の針生倖吉さん(80)は、青森消防本部に消火栓の位置を示す赤い旗の寄贈を続けている。たまたま見かけた旗が退色していたことから「手間をかけた旗を作ってあげたい」と制作を始め、その数は10年間で約3200枚に上る。2月中旬には同本部から感謝状が贈られた。

 同本部によると、青森市内には約3千カ所に消火栓が設置されている。このうち旧市内の消火栓には、降雪時に高さ約2メートルの竹ざおをくくり付けており、先端に赤い旗を付けて目印としているが、風雪の影響などによって色が薄くなったり破れたりしてしまうこともあるという。

 針生さんが制作する旗は縦40センチ、横50センチほど。撥水(はっすい)効果のある布を使用し、二等辺三角形に裁断して三方をミシンで縫う。これを年間200~300枚ほど作る。「旗の素材として赤い傘の布がかなり使えるので、傘を差している人を見かけると目で追ってしまう」と笑う針生さん。「身体が動く限りは続けたい」と、制作に汗を流している。

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