ネリー・コルダが強すぎ ツアー7年ぶり3連勝

ネリー・コルダは今季4試合で3勝。世界ランク1位の座を確固たるものに(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇フォード選手権 presented by KCC 最終日(31日)◇セヴィールG&CC (アリゾナ州)◇6734yd(パー72)

男子ゴルフの世界ランキング1位、スコッティ・シェフラーはPGAツアーの「ヒューストンオープン」で2位に終わり、出場試合3連勝を逃した。同じ日にそれをやってのけたのは女子のナンバーワン。ネリー・コルダが1月の「ドライブオン選手権」、前週「朴セリ選手権」に続いてシーズン3勝目、ツアー通算11勝目を鮮やかに奪った。

首位と3打差以内に20人がひしめいてティオフした日曜日、コルダは2打差の6位にいた。風と大雨のコンディションをものともせず、前半アウトで3バーディ。ハーフターン時にキャディに「1打差だ」と言われ、「知らなかった。そこからは力を尽くして、全てのショットのプロセスを大切にした」とエンジンに火をつけた。

後半13番で5つ目のバーディを奪って首位に立ち、最終18番(パー5)で3打目のアプローチの後、1mを沈め7つ目として「65」。通算20アンダーに乗せると、笹生優花を含む後続の3組がホールアウトするまで雨上がりの時間を悠然と過ごした。

今季のドライビングディスタンスはまだ38位(263yd)ながら、高いパーオン率(77.08%/全体3位)とパーオン時の平均パット(1.71/6位)を高次元でかみ合わせて他を圧倒している。

イージーなコースをイージーにプレー(撮影/田辺安啓(JJ))

前週も厳しい風と寒さに苦しめられた。「タフな環境で、特に優勝した後はメンタルを100%に持っていくのは本当に難しい」と語りつつ、ロースコア合戦になった今週のツアー初開催コースをしっかり攻略。「間違いなく、ストレスをほとんど感じないままに勝った試合のひとつ。とにかく無駄なく、ミスも少なく、ミスをしても簡単なアプローチをしたくらい」という戦いぶりは記録ずくめのタイトルにつながった。

3連勝は2016年にアリヤ・ジュタヌガン(タイ)が達成して以来7年ぶり。米国人としては1978年に5連勝したナンシー・ロペス以来の快挙だ。開幕4戦3勝は、08年のロレーナ・オチョア(メキシコ)以来16年ぶり、4月1日までに3勝を挙げたのは12年ヤニ・ツェン(台湾)以来12年ぶりとなった。25歳にして名だたる選手たちと並ぶ存在としての地位を確立している。(アリゾナ州ギルバート/桂川洋一)

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