プロ棋士の名人戦さながら! 成田で将棋子ども名人戦 着物姿で決勝、木村九段が見守る

着物姿で、将棋の「成田子ども名人戦」の決勝戦に臨んだ小学生。中央奥は立会人の木村九段=31日、成田市

 将棋の腕に自信がある千葉県内外の小学生が優勝目指して対局する「成田子ども名人戦」が31日、成田市の成田国際文化会館で開かれ、57人が挑戦した。勝ち抜いて決勝戦に進んだ2人は、木村一基九段=四街道市出身=が立会人として見守る中、プロ棋士の名人戦さながらの着物姿で盤を挟んだ。

 成田子ども名人戦は10年前にプロの第72期名人戦が成田市の成田山新勝寺で開かれたことを記念して始まった。7回目の今回はコロナ禍による中止や規模縮小を経て5年ぶりの通常開催。31日の成田市制施行70周年の記念事業にもなった。

 予選は2ブロックに分かれ、一人5局。木村九段が会場内を回り、対局終了後の盤を見て、より良い指し手もアドバイスした。

 予選で全勝した6年の小針智君(12)=茨城県=と5年の祝井千空君(11)=東京都=が決勝戦に進出。新勝寺での第62、72期名人戦に使われた盤の前に座り、持ち時間25分の対局に真剣なまなざしで臨んだ。

 祝井君が激戦を制し「プロの先生の前で指すのは緊張した」と笑顔。「4月の小学生名人戦全国大会でも優勝し、将来はプロ棋士になってタイトル戦を戦いたい」と意気込んだ。2人は、4月に成田が舞台となる第82期名人戦(藤井聡太名人に豊島将之九段が挑戦)の前夜祭に招待される。

 市将棋連盟によると、成田子ども名人戦の歴代上位者にはプロ登竜門の奨励会に入会した人もいる。諏訪峰雄会長は「普段は体験できない環境で対局したことをきっかけにプロを目指す子が増えれば」と期待。木村九段は「将棋は一生続けられる面白いゲーム。この先も指し続けてほしい」と小学生たちに呼びかけた。

対局後、将棋の木村九段から指し手のアドバイスを受ける小学生=31日、成田市

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