『光る君へ』瀧内公美が美しく恐ろしい 兼家との対峙シーンは「不思議な感覚にいけた」

吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。公式サイト内には出演者の撮影現場からのコメントが聞けるキャストインタビュー動画「君かたり」が公開されている。第13回「進むべき道」の放送後には、藤原定子役の高畑充希、源明子役の瀧内公美、そして倫子(黒木華)のサロンへ通う2人の姫君、茅子役の渡辺早織、しをり役の佐々木史帆が登場した。

第13回では、道隆(井浦新)の娘・定子(高畑充希)が、元服してわずか20日後の一条天皇(柊木陽太)に入内する。道隆たち中関白家が絶頂期を迎える一方、権勢を誇った兼家(段田安則)に老いが迫り、兼家の後継争いが始まろうとしていた。

定子を演じている高畑は自身の役柄について「お花っぽいイメージです。といってもヒマワリみたいな子、夏にパァっていう花というよりは、華やかなんだけど影も少しあるようなお花みたいなイメージの人です」とコメント。

演技については「今は楽しく明るい小さい一条くん(一条天皇)とのシーンもまだ多いので、純粋に楽しんでやろうと思っているんですけど、ここからいろんなことが起こっていく人なので、その過程でどんどんいろんな影響を受けていったり、まぁでも芯はある人かなと思うから影響を受けない部分もあったり、ちょっと探り探り演じていければなと思っています」と語った。

第13回では定子と一条天皇がかくれんぼを楽しむ仲睦まじい場面が描かれた。高畑は2人の関係性について「ものすごくいい意味で一条くんが定子に懐いているというか、ちょっと依存している感じもあって、だから『自分がこの人を守らなきゃ』みたいな気持ちもちょっとはあったのかなって何となく感じていて」と答えている。高畑のインタビューによれば、今後定子と一条天皇がお互いにお互いのよりどころとなる変化が見られるようだ。

SNSでは「高畑充希が14~15才の女子にみえる。すごいね」「数え14歳の藤原定子にガチで芝居を寄せてくるのが高畑充希という役者の恐ろしさである」など、当時数え14歳の藤原定子を全く違和感なく演じる高畑の演技力に驚く声のほか、「高畑充希の定子様がめっっちゃキュート」「高畑充希さんが演じられる藤原定子様がピュアで無邪気で超可愛いこと!」といった声もあがっている。高畑演じる定子は、一条天皇だけでなく視聴者の心をも掴んだようだ。

第13回では、道長(柄本佑)と道長のもう一人の妻・明子の場面もあった。瀧内は明子の人物像について「本音と建て前というのがしっかりある女性で、自分の目的に対する芯がしっかりしている人だなという印象です」とコメント。

劇中、明子は覇気のない様子の兼家から「父は御息災ですか?」と問いかけられる。父・高明を失脚させた張本人からの言葉に怒りが込み上げてきてもおかしくないが、明子は動じない。それどころか兼家への恨みはどこまでも一貫しており、兼家に対してわざわざ「父は太宰府から帰ったあと身まかりました」と口にする。この場面を振り返った瀧内は「事細かくいう、その受け答えが彼女の芯がある部分だなというふうに思っています」と答えた。兼家の扇を狙う場面で、明子は扇を手に入れると穏やかな笑みを浮かべる。

この場面について、瀧内は、兼家に近づくまでの道のりは長かったが呪詛するという強い思いがあった分、「会えた喜びとある種の喜びと自分の復讐心が増幅していく思い」「その本人に対して怒り狂うような思いではなく、一種の穏やかな気持ちに、達観していくというような思いにはなりましたね、演じていて」と語った。あの微笑みは明子の心境を演じていく中で必然とこぼれたもので、「不思議な感覚にいけたようなシーンでもありました」とも答えている。

SNSでは、道長の前で笑顔を見せない明子が父の仇である兼家の前で思わず笑みをこぼす場面について「マジで恐ろしくて美しくて素晴らしかった」「何でか分からないけどそうした方がいいと思って演じてたという瀧内公美さん、まさに明子さまですごすぎ怖すぎ」「復讐を誓う姫というすごい役割のなかで、やりすぎず、品を保ったままの明子像のつくりかた、絶品だった……」と感嘆の声が。

物語の進展に重要な役割を担うであろう藤原定子と源明子。演者である高畑充希と瀧内公美が、今後2人を取り巻く環境が変化していく中でどのような演技を見せてくれるのか。期待が高まる。

(文=片山香帆)

© 株式会社blueprint