米国で大型車排ガス規制案が最終調整、当初案より緩和も反発残る

David Shepardson

[ワシントン 29日 ロイター] - 米環境保護局(EPA)は29日、トラクタートレーラー(セミトラック)やバスなど大型車の排気ガス規制基準を厳格化する規制案の最終調整を行っていると発表した。

米温室効果ガス排出量は29%を輸送部門が占め、このうち25%は大型車によるもの。新規制では2055年までに温室効果ガス排出量を10億トン減らし、社会全体に年間130億ドルの正味利益をもたらすのが狙いだ。

適用する車両はモデルイヤーを27―32年とする配送トラックや、ごみ収集車、公共サービス用トラック、シャトルバス、スクールバス、トラクタートレーラーなど。

最終案では当初案よりも緩やかなペースで要件を厳格化し、一部車種は適用開始時期を遅らせる。

昨年公表した当初案では、温室効果ガス排出量を18億トン抑制する内容だった。電気自動車(EV)大手テスラや民主党議員の一部、環境保護団体は、さらに厳しい内容を要求していた。

ただ、業界団体は当初案に激しく反発し、EPAは緩和にかじを切った。27―29年の販売台数に占めるEV比率も当初案よりも引き下げるなどの最終案にこぎ着けたが、トラック・エンジン製造業者協会やトラック協会は「依然、企業の管理能力を超えている」「完全に達成不可能だ」などと反発している。

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