性暴力問題受け、展示刷新 「長崎人権平和資料館」が再開

「長崎人権平和資料館」に設置された、岡正治氏の性暴力問題について説明するパネル=1日午前、長崎市

 平和運動家で牧師の故・岡正治氏の性暴力問題を受け、展示を見直すために昨年10月から休館していた長崎市の「長崎人権平和資料館(旧岡まさはる記念長崎平和資料館)」が1日、再オープンした。生前の岡氏の写真や活動内容を掲示したパネルを撤去し、性暴力に関する区画を設けるなど展示を刷新した。

 新設の「性差別と性暴力」コーナーでは、岡氏の性暴力が発覚して以降の資料館側の対応や反省点を紹介。今後も内容を順次充実させる。

 資料館を運営する特定非営利活動法人の崎山昇理事長は1日、取材に対し「人権侵害の被害者に寄り添うような展示にしていきたい」と話した。

 同法人によると、岡氏は1994年、当時記者だった女性に性暴力を振るった。被害女性は再オープンに際し「資料館の取り組みが広く知られ、性被害者の人権を大切にする社会に変わっていくことを願う」とコメントした。 

 資料館は、被爆後に日本を出国した在外被爆者の調査に関わった岡氏の活動などを紹介するため、95年に開館した。

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