中国人8人の遺体、メキシコ海岸で発見 渡米ルートでボート転覆か

メキシコ南部オアハカ州の海岸で、中国人8人の遺体が発見された。乗っていたボートが転覆したと、当局は話している。

オアハカ州検察当局などによると、遺体は3月29日に、アメリカを目指す不法移民のルートにある町プラヤ・ビセンテの海岸近くで見つかった。

中国人の女性7人と男性1人はその前日、グアテマラと国境を接する南部チアパス州を、メキシコ人の操るボートで出発していた。

現在、同行者1人の生存が確認されている。ボート操縦者の消息は不明。

検察当局は、原因を調べるとともに、在メキシコ中国大使館と協力し、死者の身元確認を進めているという。

国境で拘束の中国人、2年で50倍に

メキシコからアメリカへ入国しようとする人は近年増加している。

2021年以降にアメリカに不法入国した移民は630万人を超えている。

増加が始まったのは2018年で、中米の人々がギャングの暴力、貧困、政治的抑圧、自然災害など複雑な危機から逃れようとしていることが要因となっている。

アメリカ大陸以外の移民では、中国からの移民が最も増えている。背景には、経済の低迷と政治的抑圧から逃れようとする中国人の増加がある。

アメリカとメキシコの国境で拘束された中国人は昨年3万7000人を超えた。2年前の約50倍にあたる。

メキシコの入国管理施設やシェルターは、移民の増加に対応し切れていない。

今秋の米大統領選挙では不法移民問題が焦点となる見通しで、メキシコ政府は不法移民の流出に対して対策を取るよう、アメリカから強い圧力を受けている。

(英語記事 Mexico: Eight Chinese migrants found dead on beach

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