「イヤな予感はしてたけど」人気女性コンビが解散 ファンが指摘していた“不穏な予兆”

吉本興業の公式プロフィールより

3月31日、お笑いコンビ「ハイツ友の会」が解散を発表した。清水香奈芽は芸人を引退し、西野は今後もピンで活動を続けていくという。

ハイツ友の会は’19年に結成した清水と西野による女性コンビ。西野の素朴な疑問に清水がローテンションながら切れ味抜群のコメントを返していくネタに、共感を覚えるファンも多かった。

’21年には『第8回NHK新人お笑い大賞』で準優勝、’22年には『M-1グランプリ2022』で準決勝に進出するなど、賞レースでもいち早く活躍。

’23年の『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』でも決勝に、今年3月に行われた『第13回 ytv漫才新人賞』の決勝戦にも出場するなど、これからの活躍が期待されていた。

それだけに、衝撃が大きかった今回の解散。しかし実は、ファンの間では1カ月ほど前から”異変”が指摘されていた。

「ハイツ友の会はよしもと漫才劇場の所属メンバーでした。2月24日に漫才劇場の4月公演のスケジュールが発表されたのですが、そこにハイツ友の会の名前がなかったのです。ただしその時には、3月3日に『ytv漫才新人賞決定戦』の決勝戦が行われることもあり、その余波を考えて予定をいれていないのではと思うファンもいたようです。

しかし、その後もスケジュールに更新はなく、3月24日に5月の公演予定が発表されましたがここにもハイツ友の会の名前はありませんでした。そのため、ファンの間では”辞めてしまうのではないか”という不安がささやかれていました」(WEBメディア記者)

そして、その不安は的中してしまったようだ。SNS上には解散を惜しむ声が相次いで寄せられている。

《ハイツ友の会、新しい劇場スケジュール出てないってポスト見かけてイヤな予感はしてたけど…解散は残念だな》
《4月5月の劇場のスケジュールに名前なかったからめっちゃ嫌な予感してたんよな…
大好きなコンビの一つでもあるしめっちゃショック》
《ハイツ友の会、4月のスケジュールに全く名前なかったからん?って思ってたん解散やった、、、悲しい、、》

■「この1年間本当に苦しかった」…西野のコメント全文

様々なことが重なり昨年の春頃に芸人を辞めたい気持ちが閾値を超えました。それから気持ちの上がり下がりはありましたが一定閾値を超えた状態での上がり下がりでした。ずっと心には「辞めたい」がありました。2人で何度か話し、「来年3月まで」という案が向こうから出たとき自分の中でとてもしっくりきました。約1年間芸人という職業の終活をしている気分でした。「ネタを評価していただけたら他は何でも良い」という気持ちが当初から2人とも強く、お声がけいただいた仕事を今までいくつかお断りしています。基本的には全てお受けしており自分たちなりに真摯に取り組んできたのですが、テレビ、YouTube、ラジオ、CM、雑誌などは内容によってはお断りしたり当初のお話から形を変えていただきお受けすることもありました。自分たちの精神衛生を守るためでした。辞めたい理由はたくさんあります。本当にたくさんあります。でも続けたい理由が一つもありません。そのことも辞めたい理由の一つでした。

もともと一生芸人を続けようとは思っていませんでした。芸人という職業の難しさをわかっているつもりだからこそ、限界を感じて「もういいかな」と思ったら辞めようと思っていました。「芸人になりたいけどでもやる勇気がないしでもやってみたいし…」という中1からの気持ちを悶々と抱えながらNSCに入らず過ごしていたよりは、大変充実した、十分すぎるくらい幸せな6年間を過ごせました。理想を言えば、NHK上方漫才コンテスト、ABCお笑いグランプリ、NHK新人お笑い大賞、ytv漫才新人賞決定戦で優勝してみたかったですし、M-1グランプリの決勝やキングオブコントの準決勝以上にもいきあわよくば優勝もしてみたかったです。上方漫才大賞の新人賞にも、新人賞を獲れるまで毎年ノミネートされたかったです。それから辞めたかったです。決勝まではいけても優勝できる気がせず、特にこの1年間本当に苦しかったです。様々な言葉をかけていただきますが、今の漫才やコントの形を変えると自分たちのやりたいネタではなくなります。ですが今の形のままだと優勝できません。一生やるつもりがないないのであれば、優勝できない状況でやり続けるより、今辞めてしまおうと思いました。

私たちを応援してくださる方は女性が多くいてくださったように思います。とても嬉しかったです。女性の皆さんありがとうございました。本当に“お笑い”が好きな男性もありがとうございました。退所したい旨を伝えた社員さんは、静かに終わらせたいという私たちの希望に沿うように最大限対応してくださいました。この文章が出る前に私たちの退所について知っている方は全人類で10名ほどだと思います。関わってくださった皆さま本当にありがとうございました。

以上が事前に考えていた文章です。退所するつもりでいましたが、最後の日が近づくにつれ、ピンで活動していく選択肢が自分の中で数日前から出てきました。退所したい気持ちとネタを作ってやり続けたい気持ちが同じくらいの熱量で数秒ごとに自分の中でせめぎ合い、毎日とても悩み、やはり自分はこの職業が好きだと改めて思い、今朝、ピンで活動していく気持ちが固まりました。これからも吉本興業所属でネタをさせていただけたらと思っております。形は変わりますが、今後もネタを楽しんでいただけましたら幸いです。

西野

(「ハイツ友の会」西野 Xより引用)

■「いつ優勝できるかわからないまま芸人を続けるのは難しく」…清水のコメント全文

これまでみてくださったり関わってくださった皆様、ありがとうございました。

この5年間でたくさんのことを経験させていただきました。

NSCを合わせたら6年間にもなります。

そんな日々を過ごす中で、嬉しいこともそうでないことも少しずつ積み重なった結果、芸歴5年目をやりきって芸人をやめるという判断に至りました。

芸歴5年目というのはキリが良いので考えるタイミングにもなりました。

実際に今やめようと思える程度にはこの職業での活動に満足したことも、理由の1つです。

劇場メンバーになるという大きな目標が思っていたよりもスムーズに達成できたり、自分が芸人になる前に「おもしろい」「すごい」と思ってみていた方々、近しい先輩、同期、後輩など周りとの関係が徐々に深まっていったり、ネタを褒めてもらえたり、ライブに呼んでいただいたり、ライブをみた方々が共感してくださったり、そして劇場メンバーになってから次の目標としていた各賞レースの本選などにも出場できたり。これだけにはとどまりませんが、どれも嬉しかったです。

もちろん賞レースで優勝できたら尚良かったですが、先ほども書いた通り、活動する中で様々な要因が積もり、芸人を一生続けることはないという意思がだんだんと固まっていったので、いつ優勝できるかわからないまま芸人を続けるのは難しく感じました。

やめる人たちと思われながらネタなどをみられるのが嫌だったので、今日までお伝えしませんでした。

総じて、芸人という職業を経験できて良かったです。

本当にありがとうございました。

清水香奈芽

(FANY Magazineより引用)

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